消化器系

2014.06.02

消化器内視鏡における新しい治療法 井上晴洋教授

014年5月31日 横浜ベイホテル東急
演題「消化器内視鏡における新しい診断、治療法の開発」
演者:昭和大学江東豊洲病院 消化器センター消化器外科教授 井上晴洋先生
内容及び補足「
食道アカラシアとは下部食道の狭窄により、食物の通過障害、嘔吐、誤嚥性肺炎、共通などを生じる疾患で、食道の運動にかかわる神経の変性や消失が主な病因と考えられている疾患で、10万人に1人の頻度で発症するといわれ、5%の人に食道がんが合併するといわれている。

食道アカラシアに対しする治療法としては、薬物療法、バルーン拡張術、開胸や腹腔鏡による手術療法、POEM(内視鏡的筋層切開術:Per-Oral Endoscopic Myotomy)がある。
POEM治療の原理:下部食道の筋肉 (内輪筋) がゴムバンドのようにきつく食道をしめ付けて食物を通らなくしているので、このきつくなった内輪筋を切開し、中下部食道のしめ付けを解除する治療法。
① 粘膜と筋層の間の粘膜下層にトンネルを作る。
粘膜を切開し、食道の粘膜下層に胃カメラを挿入し胃の部分まで入れていく。

(青色の染色液を粘膜下層に注入し、わかりやすくしている)
② 粘膜下層トンネルが胃側まで到達させる。
食道がS字に曲がりくねって、胃壁に到達したかどうか分かり難い時には、食道経由で胃内まで内視鏡をもう一本入れ、胃内で反転させ、粘膜下層トンネル内の内視鏡からの光を確認する。

③ 食道の通過障害が生じている内輪筋を切開していく。

④ 筋層切開終了

⑤ クリップで粘膜下層トンネルを閉鎖

翌日には、今まで感じていた症状がほとんど消失する症例が多い。

2010年にEndocopy投稿した時には17例の症例であったが、

現在までには、食道アカラシア以外の通過障害症例を含め、2008年9月8日より2014年5月14日までに、630例手術を試行し、全例に有効であった。
年齢は3歳から87歳までである。3歳例は非常に困難であったが、5歳以上15㎏以上の体重があれば、特に問題なく、対応できる。以前は前壁切開をメインに行ってきたが、症例によっては後壁切開や大彎側切開も行っている。
600例時点では男性259例、女性341例であった。
近年ではアカラシア以外にも
Diffuse Spasm
Nutcracker Esophagus
Hypertensive LES(Low Esophageal Sphincter)
Nonspastic Esophageal Motility Disorder
と適応症例を拡大しているが、良好な結果である。
POEM手技の奏効率は94.7%であり、主観的評価での満足度は10点満点中8.90±1.3であり手術後3年経過しても8.65±1.3で合併症は3.2%、手術中の出血例は3例であり、内視鏡的な治療で止血し、外科的な手術に移行する症例は今のところ出ていない。
また、POEM術後のGERDに関しては、343例85%の症例は症状なく、残りの症例にPPIの投与を行った。
参考HP:
http://www.achalasia-poem.net/index_jp.html
http://www.med.fukuoka-u.ac.jp/gastroentero/sikkan/poem.html
近年逆流性食道炎難治例に対して、内視鏡的噴門粘膜切除術(CMR:Cardiac Mucosal Resection)を行っている。
下図のような内視鏡を反転してみた際に隙間がある状況の症例に対して、噴門部の胃粘膜を切除する。切除された胃粘膜の治癒機転の際に、小彎に瘢痕が残って治癒する。この治癒機転が、ヘルニアが治るように進展することを利用した治療法である。バレット食道上皮がある場合、それらの粘膜を切除すると、治ってきた上皮は正常の扁平上皮であり、10年経過を追いかけた症例においても再発していない。
適応は食道裂溝ヘルニアがあても、Sliding していない症例である。

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