循環器系

2017.08.08

TAVI 大野洋平 先生

2017年7月1日 
演題「Supra-annular自己拡張型デバイスが有用であった大動脈二尖弁のTAVIの1例」
演者:東海大学医学部内科学系 循環器内科講師 大野洋平 先生
場所: 横浜ベイホテル東急
内容及び補足「
講演では二尖弁患者のATVI手術前の詳細な検査を提示されましたが、今回の記録では提示できず、TAVI一般的な情報を、いろいろなサイトで情報を補って記載する形路なりました。

大動脈弁狭窄症:血液を心臓から体に送り出す左室と大動脈を隔てている大動脈弁の動きが悪くなり、全身に血液を送り出しにくくなる疾患で、軽症では症状が出にくく、症状が出た時には、かなり重症になっている状況で発見されることが多い疾患である。


狭心症のような症状が出た後では5年、失神が見られたら3年、心不全で入院するようになると2年の予後だといわれてきた。
Supplement V to Circulation, Vols.XXXVII and XXXVIII, July 1968:V61-V67. CHEST. 1998;113(4):1109-1114.
Heart. 2000;84:211-21.
治療法としては、軽症のうちでは、生活習慣の改善を指導し、内科的な薬剤での治療を行うが、ある程度重症になってくると、外科的な治療で大動脈弁を置換する手術を行うことになる。

大動脈弁の手術例は年々増加し、2012年には年間13000人以上の人に行われるようになった。
TAVIと外科的弁置換術(SAVR)における術後一年後の合併症発生率の比較は以下のごとくであり、初期における人工弁の場合、周囲の漏れは高頻度に認められた。

http://www.onxvalve.jp/Clinical%20Update40.pdf

生体弁と人工弁を比較すると以下の様な特徴がある。

http://www.benmakusho.jp/cure/06-operation02/index.html

開胸手術に耐えられない高齢者などに行える治療法として開発された治療法の一つに、TAVI(Transcatheter Aortic Valve Implantation:経カテーテル大動脈弁治療)があり、日本においては2013年10月に保険適応となった。
TAVIのエビデンスを以下に示す。

現在、TAVIは世界70か国以上で実施され、30万例以上の大動弁狭窄症患者がこの治療を受けている。

アプローチの仕方は、心尖部からのものとそれ以外のものに分けられ、以下のようなものがある。

それぞれのアプローチの仕方を下記に示す。

https://www.mitsuihosp.or.jp/tavi/
それぞれの治療の特徴は、症例の重症度や合併症、施設・術者により治療時間に差はあるが、以下のようになっている。

治療の特性は以下の様な差がある。

http://tavi-web.com/#threeWays_1

ATVIを推奨するのが外科的大動脈弁置換術(SAVR)を推奨するのかは、上記のようなそれぞれの治療の利点、欠点を考慮して決定することになる。

2014年日本循環器学会ガイドラインでは、以下のようにTAVIの適治療に対して非解剖学的、解剖学的基準を設けている。
非解剖学的TAVIの適応

解剖学的TAVIの適応

http://tavi-web.com/professionals/registry/index.html

使われる人工弁にも二種類があり、バルーン拡張型弁と自己拡張型弁がある。

http://www.keio-minicv.com/tavi

日本においても他施設レジストリーとしてOCEAN-TAVI redistryを立ち上げ、2016年7月時点で14施設1613例が登録された(日本TAVI症例の30~40%)。
全症例の30日死亡率は1.7%、大体動脈アプローチ群で1.6%と死亡率が低かった。

http://ocean-shd.com/performance/
一年死亡率は、全症例で約10%、弁の留置経路別では、大体動脈アプローチ群が9.1%、心尖部アプローチ群が19.3%であったが、非心臓死の累積発生率は、大体動脈アプローチ群で高かった。(Nikkei Medial 2017.06 Book in Book p003-004)
現在TAVI便の長期使用成績は少ないが、TAVI弁と同じ牛心膜生体弁をSAVRで留置した場合の耐久性は、20年の長期成績が報告されている(Ann Thorac Surg. 2015;99:831-7)。
1984年から2008年にウシ心膜生体弁によるSAVRを受けた2659例(平均年齢70.7歳)、を平均追跡期間6.7年、最長20年以上にわたって追跡した。
20年生存率は14.4%、弁の構造的劣化(SVD)回避率は、15年後78.6%、20年後448.5%であった。
20年後のSVD回避率を手術時の年齢別に解析したところ、60歳以下37.2%、60歳超~70歳が53.0%であった。SVDによる再手術回避率は、15年後8430%、20年後54.3%で、弁の耐用年は19.7年と推定された。
現在使用されている人工弁の耐久度はこれからの研究を待たなければならないが、以前のものよりも良くなっているし、今までの研究成績をみると8年までは保証できる。

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