泌尿器系

2013年10月18日 金曜日

夜間頻尿 聖マリアンナ医科大学 堤 久先生

2013年10月11日 ホテルキャメロットジャパン
演題「夜間頻尿」
演者:聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院主任医長 堤 久先生
内容及び補足(含質疑応答)「夜間、排尿のために起きなければならない症状で日常生活において支障が出ているものを夜間頻尿という。排尿に関わる症状のうち最も頻度の多いもので、40歳以上の男女で、約4,500万人が夜間1回以上排尿のために起きているといわれ、加齢とともに頻度が高くなる。

日排尿機能会誌 14:1-12, 2003
原因としては、多尿(夜間多尿)、膀胱容量の減少、睡眠障害に大きく分けられる。
一回の排尿量は150~200ml以上と量があり、夜間での尿量が一日の総量の1/3以上になる状態で、基礎疾患としては、高血圧、心不全、腎機能障害、睡眠時無呼吸症候群がある。
膀胱容量の減少は、過活動膀胱や前立腺炎、膀胱炎などがある。過活動膀胱の基礎疾患としては、脳卒中、パーキンソン病、前立腺肥大などがある。
詳しく見てみると以下のようになる。
*多尿・夜間多尿
① 水利尿(尿比重<1.005、尿浸透圧<150mOsm/L):水分過剰摂取
心因性多尿、
アルコール、カフェイン
心不全、肝不全、低アルブミン血症
輸血過多
薬剤性(抗コリン、クロルプロマジン、チオリダジン)
症候性多飲症(脳腫瘍、脳炎後)
② 水利尿(尿比重<1.005、尿浸透圧<150mOsm/L):水分再吸収障害
中枢性尿崩症(続発性:脳腫瘍、頭部外傷、ギランバレー症候群、加齢によるADH分泌変動パターンの変調など)
腎性尿崩症(続発性:慢性腎盂腎炎、慢性間質性腎炎、水腎症、アミトイドーシス、多発性骨髄腫、鎌状赤血球症、サルコイドーシス、多発性のう胞腎、シェーグレン症候群、低カリウム血症、高カルシウム血症、薬剤性)
妊娠に伴う尿崩症(ADH分解酵素産生)
③ 浸透圧利尿(尿比重≧1.008、尿浸透圧≧250mOsm/L)
電解質利尿(利尿剤投与、生理食塩水高負荷、急性腎不全の利尿期など)
非電解質利尿(マンニトール、グリセオール、造影剤、グルコース、高尿素血症、高血糖)
④ 高血圧に伴う夜間多尿:高血圧によるカテコラミン高値が夜間減少し、腎血管艇庫が低下したことによる腎血流量増加から利尿状態となる)
*膀胱蓄尿障害
① 前立腺肥大症(前立腺肥大症に伴う過活動膀胱および残尿増加による有効膀胱容積の減少によるとされている)
② 過活動膀胱
③ 間質性膀胱炎(現在は膀胱痛症候群としてまとめて考えられているが、昼夜問わず頻尿となる)
*睡眠障害(夜間頻尿と睡眠障害は相関する)
① 不眠症(身体疾患、薬物、心理的、環境的要因)
②  うつ病
③  睡眠時無呼吸症候群(SAS)
④  周期性四肢運動障害
⑤  むずむず脚症候群
⑥ アルツハイマー病
⑦ パーキンソン病
診断のために、問診票を活用し、排尿日誌をつけてもらっている。
前立腺肥大症に関する質問票としてIPSS・QOLスコアがある。

過活動膀胱の問診票としては、OBSSがあり、自分は合計点ではなく、それぞれの点数を2-3-3-1といった四連の数字で表記して利用している。

過活動膀胱の診断をする前に男性の場合には前立腺肥大を除外する必要がある。
前立腺は加齢とともに肥大してくる。

前立腺肥大を疑った場合には、下記の診断アルゴリズムに従って診断し、治療を行うことになる。

治療薬としては以下のものがあり、

それぞれに特徴がある。

また、排尿日誌を利用することにより、その人の状態の把握や病因の推理に役立る。

上記症例においては、夜間の排尿が1350/(1600+1350)=0.458と45%以上あり、一回の尿量も200ml以上もあり、夜間多尿が夜間頻尿の原因であることがわかる。
抗利尿ホルモンの分泌低下による場合もあるが、こういった症例のほとんどが水分の過剰摂取が原因となっている。夜間の脱水による脳梗塞予防のためにと、水分の過剰摂取をされている方がかなり多くいる。いろいろと調べてみると、水分をより多くとったことによる血液粘度の変化はないという論文はあったが、血液粘度の低下を来すという報告はなかった
脱水予防のための水分摂取は必要であるが、過剰な水分摂取は快眠を妨げるばかりでなく、眠たい状況下でのトイレまでの移動が必要となってくるため、転倒する機会が増え、寝たきりになる危険性が増加するので、避けるべきである。
夜間頻尿診療ガイドラインが日本排尿機能学会から出版されているので参考にされたい。

投稿者 川村内科診療所 | 記事URL

2013年10月17日 木曜日

前立腺癌―最近の治療動向― 三好康秀先生

2013年10月8日 ホテルニューグランド
演題「前立腺癌―最近の治療動向―」
演者:横浜市立大学付属市民総合医療センター 泌尿器科・腎移植科准教授 三好康秀先生
内容及び補足(含質疑応答)「前立腺癌は1998年には10万人当たり13.2人だったのが2008年には31.2人と増加しており、死亡数でも増加している。
下の図はhttp://hinyoukika.cocolog-nifty.com/bph/2012/04/post-bbee.html
より転詣したものであるが、2005年には4万1000人を超える人が前立腺がんと診断され、10036人が前立腺癌のために死亡した。


50歳から74歳までの182160人がエントリーされ162388人のうち72891人がScreeningグループに、89352人がコントロールグループに分けられ、PSA検診を施行した効果を約11年にわたり経過を見た臨床研究で38%の前立腺癌での死亡率低下を認めた。グラフから見て分かるように、実施当初においては有意な差はなく、11年以上たってから差が認められている。

横浜市においては50歳から64歳までの前立腺癌検診の受診率は2-4%、65歳以上においても10%程度であり、検診受診率の向上が必要である。
米国においては50歳以上の男性の75%は少なくともPSA検診を一回は受けており、1990年に比べ2005年には前立腺癌は31%も低下した。

参:前立腺がん検診ガイドライン2010年増補版 ダイジェスト版
National Comprehensive Cancer Networkの前立腺癌治療2012年第3版
にも治療について詳しく書かれているが、CTやMRI、骨シンチの検査により前立腺癌のClinical Stageを診断し、治療方針が決定される。転移があれば原則的にはホルモン療法が選択される。早期の場合には、PSA値やグリソンスコアにてリスク分類を行い、PSA監視療法を行うことがあるのが特徴的である。
グリソンスコアは生検で採取した病変を組織異型度分類で2~10までの9段階に分類し、それに組織型を組み合わせて段階に分類し、最も多く面積を占める主要成分と次に多い成分の評価を4+3や3+3といった形で評価表し、6以下が最もおとなしいタイプとしてあらわされる。①グリソンスコア6以下、②陽性コア(針生検で癌細胞が見つかった針の本数)2本以下(陽性コアでの腫瘍占拠率50%以下)、③PSA10ng/ml未満をPSA監視療法の対象としている。

年齢によってPSA値は上昇してくるので、以下のように判定したり、前年度との比較で急上昇していたりするものについては、泌尿器科においての精密検査が薦められる。

手術療法としては腹腔鏡、開放手術、ロボット(Da Vinci)療法などがある。腹腔鏡手術は拡大でき、他の人と術野を共有できるりてんがあるが、開放手術においては、ルーペとデッドライトを使用するようになってから治療成績は向上している。
Da Vinciによる手術は、手振れ補正機能があるため勃起神経が温存しやすい。
放射線治療においても小線源による内照射野、外照射があるが。近年Intensive Modulated
Radiotherapy(IMRT)やVolumetric Modulated Arc Therapy(VMAT)などの機械が開発され、コンピュータで照射面積を細かく規定でき、照射機械を360回転させながら照射でき、照射時間を短縮し、副作用を出さずに放射線照射量を増やすことができるようになった。実験的には75Gy以上照射すると腫瘍縮小効果が増大するため、今後、より良い長期効果の蓄積が期待される。
進行癌や骨転移がある症例においてはホルモン療法が期待されている。」

投稿者 川村内科診療所 | 記事URL

2013年2月19日 火曜日

CKD患者さんへのアプローチ 斎藤明先生

2013年2月18日崎陽軒本店
演題「腎機能が低下している患者さんへのアプローチ」
演者:横浜第一病院院長 斎藤明先生
内容「慢性腎臓病CKD患者さんは成人の8人に1人の頻度でいて、心血管死亡の頻度が高い疾患です。腎臓専門医の数は3000-人余りであり、一人で1000人以上の患者を診る計算になるため、現実的には腎臓専門医だけでCKDの患者さん診療は不可能であり、一般の開業医との連携が大切である。尿蛋白+以上が三カ月続いたり、腎機能GFRが50を割るような患者さんの場合には、一度腎臓専門医に紹介していただき、現在の腎臓の状態の把握と治療方針を決めて、病診連携をうまく利用して、CKDの患者さんの合併疾患である、高血圧、糖尿病、脂質異常症、貧血などの治療・管理と腎実感の増悪の予防進行を遅らせる治療及び生活指導を行っていく必要ある。」

投稿者 川村内科診療所 | 記事URL

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