循環器系

2019年8月17日 土曜日

心房細動のリズムコントロールの重要性 山内康照 先生

2019年7月30日 
演題「DOAC大規模試験結果から見えてきたリズムコントロールの重要性」
演者: 横浜市立湊赤十字病院 不整脈診療科部長 山内康照 先生
場所:TKPガーデンシティPREMIUM横浜ランドマークタワー
内容及び補足「
心房細動では、血栓塞栓症のリスクが増加し、心房収縮の欠如、不適切な心拍数により心機能低下や胸部症状が出現する。心房細動の治療戦略は、心房細動持続期間、基質的心疾患の有無、年齢により異なる。カテーテルアブレーションの適応と手技に関するガイドライン(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_okumura_h.pdf)では心房細動を発症7日以内に自然に洞調律に復する発作性心房細動(Paroxysmal)、7日以上持続する持続性心房細動(Persistent)、1年以上持続する長期持続性心房細動(long standing persistent
)に分類している。

心房細動に対するアブレーション治療
高周波焼灼術(高周波アブレーション):心筋組織に直径2㎜程のカテーテルをあて、人体を介した電気回路を形成し、高周波電流を流し、心筋とカテーテルが接触している部分に50度前後の抵抗熱を発生させて、限局的に心筋組織を変性させる。その結果異常な電機興奮発生部位や不要な伝導路の活性を消失させて、不整脈を発生させないようにする。

冷凍焼灼術(冷凍アブレーション、クライオアブレーション):-40~50度まで心筋を冷却することで細胞障害を引き起こし、電気的興奮や伝導を生じないようにさせる治療法。主に圭28㎜大のバルーンカテーテルを用いて、肺静脈を塞ぐように押し付ける要領で、肺静脈周囲を冷却・隔離する。
  

http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/junkanki/clinic/cryoablation.html

合併症が無いlone Afといわれる群と典型的なAfの予後をFramingham Heart Studyの研究でみてみると10311人のうち1961人でAfと診断され、合併症が無いLone Afが173例(71±12歳、47%女性)であり、合併症が無い群は典型的なAfに比べTotal Cardiovascular EventsのHRは0.67と有意に低かったが、Afが無い人に比べHRは1.73と高かった。

Am Heart J. 2016 Jul;177:138-44

茨城県の63197人の1993年から2008年まで追跡した研究では、男女ともSVPCがある群で脳卒中死は
有意に増加していた。

この傾向は心血管死の頻度でも同様であった。

全ての死亡リスクではより顕著な差が出た。

Afの頻度でも有意な差を認めた。

European Heart Journal, Volume 36, Issue 3, 14 January 2015, Pages 170-178,


有名なAFFIRM試験でAfの死亡率はリズムコントロールとレートコントロールで有意な差が無かったために、Afをいろいろと苦労して洞調律に戻す治療をするよりも、リズムコントロールをして、抗凝固療法を行う症例の方が多いのが現状である。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa021328

STAF(The Strategies of Treatment of Atrial Fibrillation)試験でもリズムコントロールとレートコントロールでの予後は変わらなかった。

JACC 2003 41 1690-1696

AFFIRMやRACE、STAF試験で経過観察中に同調膣であった頻度を見てみると明らかにリズムコントロールした群で多かったが、それでもAFFIRM試験でさえ37.4%はAfになっており、この軍の影響が試験結果に影響している可能性がある。


Circulation 2005;112:1214-1230

STAF試験では、リズムコントロール群の中でAfになった群とどう両立が維持できた群の予後は顕著に異なっている。

JACC 2003 41 1690-1696

AFFIRM試験でAf患者の予後を良くしたものはWarfarinの使用と洞調律の維持であり、抗不整脈の投与はかえって予後を悪くしていた。

 
Circulation 2004;109:1509-1513

日本人のデータでも年に約5.5%の割合で心房細動が慢性化している。
10年で42.9%しか洞調律はおらず、それ以外は慢性心房細動となっている。


Circ J 2004; 68: 568 - 572

発作性の心房細動と持続性の心房細動での脳梗塞・全身塞栓症発症の頻度には差はない。

発作性の患者で64.8%、持続性の患者で79.5%で内服していた。

Clopidogrel+AspirinとOACで分けて予後を見てみると持続性の群では有意な差を認めた。

J Am Coll Cardiol. 2007 Nov 27;50(22):2156-61

21105人のうち発作性Af:5366人(25%)、持続性(persistent)Af:4868人(23%)、永続性(permanent)Af:10865人(51%)の脳卒中及び全身塞栓症の発症の頻度は、発作性Af で有意に少なかった。

Stroke and systemic embolic event (SEE) occurred less frequently in the patients with paroxysmal atrial fibrillation (AF) (1.49%/y), as compared with persistent (1.83%/y; HR, 0.79; 95% CI, 0.66-0.96; P=0.015) and permanent AF (1.95%/y; HR, 0.79; 95% CI, 0.67-0.93; P=0.004) after multivariable adjustment (see Statistical Methods for covariates). CI indicates confidence interval; and HR, hazard ratio.

セカンドエンドポイントであった、脳卒中、全身塞栓症、心血管死も、発作性Afで有意に少なかった。

The composite secondary end point of stroke/SEE/cardiovascular (CV) death occurred less commonly in patients with paroxysmal atrial fibrillation (AF; 3.16%/y) compared with persistent (4.57%/y; HR, 0.73; 95% CI, 0.64-0.82; P<0.001) and permanent AF (4.49%/y; HR, 0.78; 95% CI, 0.70-0.87; P<0.001) after multivariable adjustment (see Statistical Methods for covariates). CI indicates confidence interval; HR, hazard ratio; and SEE, systemic embolic events.

全死亡率においても、発作性Afで有意に少なく、よりその効果が強かった。

The end point of overall mortality was lower in those with paroxysmal (2.99%/y) compared with persistent (4.41%/y; HR, 0.73; 95% CI, 0.64-0.83; P<0.001) and permanent atrial fibrillation (AF; 4.41%/y; HR, 0.78; 95% CI, 0.69-0.87; P<0.001) after multivariable adjustment (see Statistical Methods for covariates). CI indicates confidence interval; and HR, hazard ratio.
Circ Arrhythm Electrophysiol. 2017;10:e004267

Fushimi Af Registryにおいて283000人のうち3282人のAf 患者が発症した。1546人(53.1%)でOAC(主にワーファリン)が投与された。
Af患者でOACの投与群と非投与群では、脳卒中の頻度、出血の頻度に有意差は認めなかった。
CHADS2スコアが少ない人では薬剤の投与しない症例が多く、85歳以上でも薬剤投与しない症例が多かった。

年齢別に見てみると70歳未満で過少投与例が多く、過剰投与例は高齢になるに従い漸増した。

低リスク患者においては過剰投与、リスクのある患者においては過少投与となっていた。

Circ J2014;78:2166-2172

Fushimi Atrial Fibrillation RegistryではPAF1588名、SAF1716名では、OACが投与されていた人は、それぞれ618名(39%)、1133名(66%)であり、OACの内服がない状態では、Strokeと全死亡はPAFよりも倍ぐらいSAFでみられた。

OACが投与されている群ではStrokeの頻度のみ有意差があり、死亡には差を認めなかった。

経過観察期間においてPAFからSAFに移行した人は154人(9.7%)であった。年率PAF~は1.4%、SAFから3.0%イベントが起こったことになる。
Stroke. 2015;46:3354-3361

RE-LY、ROCKET AF、ARISTOTLE、ENGAGE AT-TIMI48の4試験の合計71683人(134046patient-yearsの経過観察)で6206名(9%)のしぼうがあった。補正後の死亡率は4.72%/年であった。総死亡のうち46%が心臓死で、非出血性の脳卒中、全身塞栓症は5.7%、出血関連死は5.6%であった。生存例に比べ、死亡例では、心不全を頻回にお越し(OR:1.75)、持続性の心房細動であり(OR:1.38)、糖尿病があり(OR:1.37)、男性(OR:1.24)、高齢(3.2年の差)、クレアチニンクリアランスの低値(-9.9ml/min)であった。ワーファリンに比べ、DOACは僅か(-0.72%/年)であるが有意に総死亡を減少させた。これは致死的な出血を減らしたことによる。

J Am Coll Cardiol. 2016 Dec 13;68(23):2508-2521

18113人(平均年齢71.5±9;男性63.6%)人中1371人が400(212-613)日の期間で死亡しており、年間の死亡率は3.84%であった。最も大きな死因は心血管死で61.4%、悪性腫瘍を主とする心血管以外の死亡が35.8%で、不明死が2.8%あった。心血管死のうち心臓が37.4%(突然死22.3%、進行性心不全15.1%)、脳塞栓7%、出血が2.8%であった。

Warfarin使用群とDabigatoran使用群で有意な差がみられたのが、血管死でWarfarin 0.52%、Dabigatran0.33%でWarfarinをDOACに変更するとこの分の差が改善する可能性がある。

Circulation. 2013;128:2192-2201

Haissaguerreらは心房細動のトリガーとなる心房期外収縮の約90%が肺静脈内の心筋から発生し、肺静脈内の起源に対するアブレーションにより心房細動を根治し得ることを報告した(N Engl J Med 1998; 339: 659-666)。当初は比較的若年で基礎心疾患が無く、同じ部位からの反復する不規則で速い分発興奮によって生じる非持続性心房細動を「巣状心房細動」と定義し、局所アブレーションの適応としていた。
その後発作性心房細動のトリガーもほとんどが肺静脈内心筋あるいは肺静脈開口部から発生することが明らかとなり、アブレーションの適応は拡大された。
持続性心房細動の一部でも、肺静脈の局所群発興奮が一度停止してもすぐに再開し、心房細動を持続している場合があり、心房全体に異常基質が無くても、肺静脈の持続的分発興奮により心房細動が維持される。また、一つの肺静脈からの局所群発興奮が引き金となって、他の肺静脈からも局所群発興奮が惹起される現象も確認され、局所群発興奮は心房細動開始のトリガーとしてだけでなく、その維持においても重要な役割を果たしていることが分かった。
真柴らは、上大静脈や肺静脈などの近心部大血管が不整脈源性であるとする『心臓血管興奮伝導』という概念を提唱した。ラットにおいては左心房から肺静脈末梢まで心筋が存在し、この部分では、心筋線維密度がまばらで、隣接線維からの電気緊張電位を受けにくいので、静止電位が浅く電気的に不安定であり、また心筋壁が薄いため、内圧変化により伸展されやすく、伸展誘発イオンチャンネルが活性化され脱分極しやすい。イオンチャンネル分布上の特異性、錯綜配列など組織構築上の特異性などの理由から近心部大血管に残存する心筋線維は自動能を生じやすく、異所性興奮の発生源となりやすい。また、この部の活動電位は低振幅で立ち上がりが遅く、僅かに緩徐拡張期脱分極を示し、伝導速度が遅い。そのため、異所性自動能や伝導ブロックをきたし、期外収縮やリエントリの発生の場になりやすいと考えられる。
心房細動例では、肺静脈の方が左房より不応期が短く、肺静脈内に緩徐伝導や伝導遅延が認められ、心房細動の誘発率も肺静脈内の方が左房より高い。
また、肺静脈遠位部の有効不応期の方が肺静脈-左房接合部より短縮しており、肺静脈遠位部から近位部への伝導時間の方が、近位部から遠位部のそれより長い。心房細動発生時に、肺静脈の局所群発興奮が肺静脈-左房接合部で伝導ブロックをきたし、進出部位と進入部位を介する肺静脈-左房接合部リエントリが形成されたり、肺静脈内でリエントリ回路が形成されたりすることがある。
不整脈源性となる肺静脈を左房から電気的に隔離することが心房細動アブレーションの理論的根拠である。当初は肺静脈内に多極リングカテーテルを挿入し、肺静脈開口部で電位を指標にして左房肺静脈の電気的結合を離断する肺静脈個別隔離法が施行されたが、肺静脈狭窄を生じやすいことが報告され、より左房側で肺静脈開口部周囲を取り囲む形で通電し、電気的結合を遮断する解剖学的肺静脈隔離が行われるようになった。肺静脈と左房後壁を隔離するBOX隔離術も施行されている。

肺静脈の解剖学的隔離が成功しても、心房細動の再発や心房頻拍の出現が認められるために、根治には複数回のアブレーションを必要とすることも少なくない。初回の肺静脈隔離術後の発作性心房細動の再発抑制率は、50~80%、2回目で80~90%と報告されている。(Circulation 2005; 111: 1100-1105)
長期成績においては、発作性心房細動における肺静脈隔離術による約5年後の洞調律維持率は初回で47%、複数回で80%、臨床的改善率は93%(Circulation 2010; 122: 2368-2377)、あらゆる体部の心房細動では初回で29%、複数回で63%(J Am Coll Cardiol 2011; 57: 160-166)と報告されている。
アブレーションを第一選択治療とする妥当性を検討した研究によると、第一選択治療として肺静脈隔離アブレーションを施行した群では、1年後の洞調律維持率は約90%であったのに対し、抗不整脈薬群では2剤使用群でさえ約60%しかなかった。

しかもアブレーション群では入院回数も少なかったこともあり、Afの第一選択治療としてアブレーションを選択する可能性について言及された。
(JAMA 2005;293:2634-2640)
抗不整脈によるリズムコントロールには副作用が出現すること、Afの再発率が高く、長期の洞調律維持が困難であるという欠点がある。A4試験では、1年間のAf の非再発率は、アブレーション群で約89%、抗不整脈群では23%と有意にアブレーション群で再発率が低かった。

症状、運動耐容能、QOLの改善もアブレーション群で有意に高かった。

アブレーションに伴う血栓予防に有効な先端電極から還流できるThermoCoolアブレーションカテーテルで行われたThermoCool AF trialでは、少なくとも1種類の抗不整脈薬が奏功しなかった発作性Af を対象に、抗不整脈薬とアブレーションのランダム化比較試験が行われた。
9か月間のAf の非再発率は、アブレーション群で66%、抗不整脈群で16%と有意にアブレーション群で再発率が低かった。

副作用は抗不整脈薬群で8.8%、アブレーション群で4.9%とアブレーション群で少なく、アブレーションの方が優れている治療法といえる。
JAMA 2010;303:333-340

Cryoablationを用いたSTOP-AF (Sustained treatment of paroxysmal AF)試験では、1年間のAf の非再発率はCryoablation群では69.9%、抗不整脈薬群では7.3%とアブレーション群で再発率が有意に低かった。
   

Journal of the American College of Cardiology Volume 61, Issue 16, April 2013

参:臨床試験データ
2006年から2012年の7年間にスウェーデンでAfと診断された361913人のうち4278人がアブレーションを受けており、そのうちの2496例と背景を可能な限り一致させた非アブレーション例を比較検討した。平均観察期間4.4±2.0年の間にアブレーション群で78例、非アブレーション群で112例に虚血性脳梗塞が生じ、死亡例はそれぞれ88例、184例であった。多変量補正後アブレーションは脳梗塞発症のHRは0.69、死亡のHRは0.5と有意に低下させた。脳梗塞の減少は、CHA2HD2-VAScスコアが2点以上(HR:0.39)、およびアブレーション後6ヶ月以降に新たに除細動を行わなかった患者(HR:0.68)で顕著であった。

   
European Heart Journal 2016; 37: 2478-2487

CASTLE-AF
薬剤管理ができなかった有症候性の発作性もしくは持続性Af合併NYHAクラス2以上の心不全患者を、7アブレーション治療群(179例)もしくは薬物治療群(184例)に無作為に割り付けを行い、ガイドラインに準じた心不全治療を追加した。
中央観察期間37.8ヶ月の間に、主要複合エンドポイントの発生は、アブレーション群で51例(28.5%)、薬物療法群46例(44.6%)でHR0.62で有意な差を認めた、全死亡は24例(13.4%)対46例(25%)でHR0.53、心不全増悪による入院は37例(20.7%)対66例(35.9%)でHR0.56、心血管死は20例(11.2%)対41例(22.3%)でHR0.49と有意な差を認めた。
  
New England Journal of Medicine 2018; 378: 417-427


  

Circ Arrhythmia Electrophysiol. 2014;7:267-273



   

J Am Coll Cardiol. 2012 Nov 6;60(19):1921-9


14例の繰り返すLone Afの患者に肺静脈と左房後壁の隔離術を行い13例で成功した。経過観察中2例で再発し、アブレーションを繰り返し行い、その後洞調律を維持できた(平均25.1±11.9ヶ月)。


Circulation. 2003;108:3108-3114

120名(53±11歳:77%男性、60%PAf)のAf症例に対して、左房roofを線状に焼灼したCPVA-1群と左房後壁を隔離するBox isolationの二群に分けて予後を比較した。
 

一回焼灼後10±4ヶ月後の間にCPVA-1群では24例(40%)にAfの再発を認め、3例(5%)に新規発症のAFを認めた。CPVA-2群では23例(38%)にAfの再発を認め、4例(7%)にAFを認めた。両群間において非不整脈再発期間に有意な差はなかった。

Circ Arrhythmia Electrophysiol. 2009;2:35-40

別の場所からのAf の発現の可能性がある。

1897人のAf 患者のうち完全に経過情報が得らえた1768人(93.2%)で脳卒中の既往があるG1群とないG2群でアブレーション後平均633±415日の経過を見た。G1では65/156人(41.7%)、G2では638/1611(39.6%)にAfの再発を認め、有意差はなかった。G1では5人(3.2%)、G2で28人(1.7%)に症候性の脳卒中を認め、有意な差は二群間には認めなかった。
Chin Med J (Engl). 2013 Mar;126(6):1033-8.

Afに対してアブレーションを行った80歳以上(35人)と80歳未満(717人)に分けて検討した。80歳以上の群でCHADS2スコアが高く、冠動脈疾患が多く、妊院期間が長かった(2.9±7.7日 vs 2.1±1.1日)。アブレーション施行の際の合併症に差は無く、1年間のAf & AF発症ナシの頻度は80歳以上の群で78%、未満で75%と有意な差は無かった。
PACE 2010; 33:146-152

587人の75歳以上のAf患者で324人がアブレーションの適応患者で263人が不適応患者あった。263人のうち23人(9%)がNOAC治療を希望された。324人中261人がアブレーションを行い(G1)、63人には行わなかった(G2)。54人は手技を拒否し、レートコントロール治療を選択した。
洞調律を維持できた人は予後が良く、Afが再発した人はアブレーションを行わなかった群と似た経過をたどった。

Heart Rhythm 2015;12:44-51

カテーテルアブレーションの適応と手技に関するガイドライン
根治を目指す!カテーテルアブレーション治療

投稿者 川村内科診療所 | 記事URL

2019年8月16日 金曜日

心不全診療の現状と将来 筒井裕之 教授

2019年7月21日 
演題「ガイドライン準拠 心不全診療の現状と将来」
演者: 九州大学大学院医学研究院 循環器内科学 筒井 裕之 先生
場所:ホテル横浜キャメロットジャパン
内容及び補足「
心不全を2017年に改訂版を出したガイドラインとしての定義として『なんらかの心臓機能障害、すなわち、心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果、呼吸困難・倦怠感や浮腫が出現し、それに伴い運動態様脳が低下する臨床症候群』とし、一般向けの解りやすい表現として『心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です』とした。
心不全患者数は近年増え続けており、日本においても入院患者数は、急性心筋梗塞入院冠者数の二倍ほどにまでなってきている。2017年から2018年にかけての急性心不全入院患者数は13000人を超える増加となっている。

循環器疾患診療実態調査報告書 2018年度実施(The Japaneses Registry Of All Cardiac and Vascular Diseases)

性別年齢別でみてみると心不全患者は男性では70歳代、女性では80歳代にピークがあり、高齢になるに従い急増している。

80歳以上が28.6%を占めている。

心不全の治療については、心不全リスクの状態をステージA、B、症候性心不全をステージC、Dに分けて、治療目標を、ステージA:危険因子のコントロール、器質的心疾患の発症予防、ステージB:器質的心疾患の伸展予防、心不全の発症予防、ステージC:症状のコントロール、QOL改善、入院予防・死亡回避、緩和ケア、ステージD:再入院予防、終末期ケアとしている。

心不全の分類として、左室のEFで40%未満のHFrEF、50%以上のHFpEF、その間のHFmEFだけでなく、LVEFが改善したHFpEF improvedまたはHFrecEFに分けた。


それぞれの病態に応じて治療内容を分けて記載している。
収縮不全が主体のLVEF40%未満のHFrEFではACE阻害薬、ARBにβ遮断薬やMRA利尿薬を主体とした治療を行い、必要に応じてジギタリスや血管拡張薬、ICD/CRTを行い、運動療法も併用していく。
拡張不全が主体のEFが50%以上のHFpEFは現時点では有効な治療方法が確立されておらず、利尿薬を用いながら、併存症に対する治療を行っていくことになる。
LVEFが軽度低下している症例は収縮機能障害もある程度あるものの、臨床上はHFpEFに近い病態を示す症例も多く存在する。これらの症例の多くは、HFpEFとは異なり、収縮機能障害に対しては、HFrEF患者で確立されている治療法がある程度有効であり、LVEFが軽度低下した心不全HFmrEF、あるいはHFpEF borderlineと定義している所もあり、本ガイドラインにおいては、LVEFが40~49%の群をHFmrEFと定義し、治療の選択は個々の病態に応じて判断することとしている。
心不全症状を呈した当初は、LVEFが低下していたものの、治療や時間経過とともにLVEFが改善する症例群(HFpEF improvedまたはHF with recovered EF:HFrecEF)もある。
頻脈性心房細動などによる頻脈誘発性心筋症や虚血性心疾患、β遮断薬で心機能が回復した拡張型心筋症などがこの症例群に該当するもとと考えられており、左室収縮能、拡張能や心胸比、BNPが正常化することもある。これらの症例の長期予後は、良好と考えられている。

これらの患者はHFrEF患者と比較して、1.症状が軽い、2.入院日数が少ない、3.年齢が若い、4.非虚血性である、5.併存症が少ないなどの特徴がある。
J Card Fail. 2011 Jul;17(7):527-32

心不全患者に心房細動を合併すると予後は悪くなる。
心不全患者で心房細動を合併した患者に、カテーテルアブレーションの治療をした179名と、薬物でレートとリズムコントロールをした184名で比較してみると、平均37.8か月後には、死亡や心不全の悪化による入院は51名(28.5%)と82名(44.6%)とHazard ratio 0.62と有意にカテーテルアブレーションの方がよかった。
死亡でも24名(13.4%)と46名(25.0%)とHazard ratio 0.53、心不全悪化入院でも
37(20.7%)と66名(35.9%)とHazard ratio 0.56、心血管死は20名(11.2%)と41名(22.3%)とHazard ratio 0.49と有意に改善していた。
つまり、アブレーションを心不全合併心房細動患者に行うと、薬物療法だけの時に比べ心不全悪化の入院を40%近く抑えられるといえる。

N Engl J Med 2018; 378 : 417 - 27

HFrEF心不全患者においてBisoprolol 5㎎/日の投与とCarbedilol 20㎎/日の投与比較においては、プライマリーエンドポイントであるTolerabilityは両群間で差はなかった。

安全性を見るセカンダリーエンドポイントでも、両群間で有意差は認めなかった。


細かく見てみると、LVEFは両群とも15%程度改善していた。差を認めたのは心拍数で、Bisoprololは約20拍/分低下したのに比べ、Carvedilolは約15拍/分の低下であった。

Circ J 2019 24 83 1269-1277

IvabradineはHCN(Hyperpolarization-activated cyclic nucleotide-gate)チャンネル阻害薬で心臓のペースメーカー電流である過分極活性化陽イオン電流(If)を抑制する新規作用機序の経口薬で、心臓の伝導性、収縮性、再分極および血圧に影響することなく心拍数のみを減少させる作用がある。

http://www.onlinejacc.org/content/70/14/1777

Systolic Heart failure treatment with the If inhibitor ivabradine (SHIFT)TrialでIvabradineが心不全患者に対して使用された。
LVEF≦35%の中等度から重度の慢性心不全患者(平均EF29%)で洞調律で心拍数が70/分以上で心不全のガイドラインに準拠した治療を受けている人が対象であった。
平均23か月追跡され、心拍数はプラセボ群に比較し、1年後で8bpm減少し、複合エンドポイントである心血管死と心不全悪化による入院は18%の改善があり、その内訳は、心不全入院抑制が26と有意であったが、心血管死の抑制は9%で有意ではなかった。
しかし、心不全による死亡は26%減少し、突然死の抑制効果がないことが、β遮断薬との大きな差異となっている可能性が視された。

Lancet 2010;376: 875-885

心臓再同期療法:左室収縮不全は、しばしば房室伝導障害や心室内伝導障害を合併する。伝導障害は左室拡大(左室リモデリング)をきたし、僧房弁閉鎖不全を助長し、生命予後を悪化させる。心室内伝導障害は、通常QRS幅の延長として認識され、慢性心不全症例の約1/3が120ms以上のQRS歯を示しており、その多くは左脚ブロックである。
1990年代に左室収縮のDyssynchronyを伴った心不全の治療として両室ペーシングが開始され、CRT(cardiac resynchronization therapy)心臓再同期療法と定義された。
両室ペーシングにより左室リモデリングと心機能は改善したが、1/3はnon-responderであった。
  

左室機能の改善機序としては、以下のように考えられている。

Circulation. 2002;105:438-445

HFrEF、HFpEF、HFrecEFの死亡や心不全による入院などの予後を見てみると、HFrEF、HFpEF、HFrecEFの順に有意な差を認めた。

 

JAMA Cardiol. 2016;1(5):510-518

174人のLVEF45%以上のβブロッカー投与している心不全患者を心エコーで経過を追っていくと、2年で98%、4年で94%、6年で90%と予後は良いが8年目には78%と低下してくる。

9.2年の経過観察で40人(23%)の死亡があり、5年で期待される予後の93%に、10年で85%に低下する。

Circulation: Heart Failure. 2014;7:434-439

3519人のEF<35%の3年間の予後は、397人(11.3%)の死亡があり、HFrEF(reduced ejection fraction:EF of <40%)の方がHFiEF(recovery or improvement in EF)よりも死亡率が高かった。
この研究では、12か月後にEFが<35%より>40%に改善したのは9%だけであった。
特徴は、若い、冠動脈病変が少ない、腎機能が良い、バイオマーカーやneurohormonal profileが良い、βブロッカー使用者であった。

Circ Heart Fail. 2016 Jul;9(7). pii: e003123

25人は治療薬剤を減らしていき、26人はそのまま治療薬を継続して、その予後を検討した。治療を中断した群では45-7%にイベントが起こった。

LVEFの有意な低下、LVEDVi、NT-pro-BNNP、心拍数、収縮期血圧、拡張期血圧の有意な上昇が治療中止群でみられた。

Lancet Published : November 11, 2018 DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(18)32484-X

治療
EFrEFに対する治療
ESC(European Society of Cardiology)ガイドライン(2016)では、薬剤を以下のように5種類に区分している。
 


急性・慢性心不全診療ガイドライン 2017年改訂版では以下のように推奨されている。


HEpEFに対する治療
HFpEFの病態は多様であり、血管心疾患(心房細動、高血圧、冠動脈疾患、肺動脈疾患など)や非心血管疾患(糖尿病、CKD、貧血、鉄欠乏、COPD、肥満など)の併存症を有している。HFpEF患者の入院や死亡の多くは非心血管疾患によるものであり、併存疾患のスクリーニングを行う必要がある。様々な併存症の為か、HFrEFのように治療法が確立されておらず、個々の薬剤の治療効果のエビデンスは一貫していないので、併存症に対する介入・治療が重要となってくる。


新規薬物治療
1. Ivabradine(Ifチャンネル阻害薬)
Ivabradineは洞結節細胞のIfチャンネルを阻害することにより、心拍数を低下させる薬剤。洞調律の患者が治療対象。欧州における適応はLVEFが35%以下の有症候性のHFrEF感が出、最大容量は患者が許容できる最大量のβ遮断薬を用い、さらにACEI(またはARB)、MRAなどの適切な薬物治療を行っても安静時心拍数が洞調律で70/分未満にならない患者とされている。

https://www.shift-study.com/ivrabradine/mode-of-action/
6558人の心不全患者に対して3268人にIvabradineが投与され、3290人のプラセボと比較された。平均22.9ヶ月の経過で、Ivabradine投与群では793人(24%)、プラセボ群で937人(29%)に心血管死、または心不全増悪による入院がみられHR 0.82で有意な効果がみらえた。その主な効果は心不全増悪による入院の抑制でHR 0.74であった。
Lancet 376 : 875―885, 2010

2. ARNI:sacubitril/valsartan サクビトリル・バルサルタン
1分子中にARBのバルサルタンとネプリライシシン阻害薬のプロドラックであるsacubitrilを1:1で結合含有させた化合物。Sacubitrilは吸収後3~4時間で活性態に変換され、ネプリライシン阻害作用を発揮する。ネプリライシンは体内に広く分布する膜結合型エンドペプチダーゼで、主たる作用は利尿ペプチドの分解であり、この酵素の阻害により、内因性利尿ペプチドが増加する。そのほかに、ブラジキニン、アドレノメデュリン、サブスタンスP、エンドセリン、アンジオテンシン2の分解にも関与している。サクビトリル/バルサルタンは1分子中にARBであるバルサルタンとネプリライシン阻害薬のプロドラックであるサクビトリルを1:1で結合含有させた化合物である。吸収後3~4時間で活性体に変換され、ネプリライシン阻害作用を発揮する。主として内因性利尿ペプチドの分解を阻害し、ACEやaminopeptidasePは阻害しない。したがってブラ時期人の分解が弱く、血管浮腫が少ないと期待される。

NYHA2度以上、LVEF40%以下の慢性心不全患者を対象としたPARADIGM-HFでは、1次エンドポイントの心血管死又は心不全による入院はエナラプリルよりも有意に少なかった。心血管死、心不全による入院も有意に少なく、症候性低血圧や重症ではない血管浮腫の発生率も数無かった。

N Engl J Med 371 : 993― 1004, 2014

3. SGLT2阻害薬:尿中へのグルコース排泄を増加させ、血糖を低下させると同時に利尿作用を有するが、ループ利尿剤やサイアザイド系利尿薬と異なり、脂質・尿酸等の代謝改善作用を有し、電解質に影響を及ぼさないという利点を有している。2型糖尿病患者を対象としたEMPA-REG OUTCOME試験とCANVAS試験において、いずれも主要評価項目である、心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中からなる複合心血管イベントを減少させ、3か月後の心不全による入院の減少効果も大きかった。その効果はHbA1c 低下は0.4~0.6%であり、糖代謝や脂質代謝、体重の減少効果とは考えにくく、SGLT2阻害薬による利尿効果が心不全の増悪、心血管死の減少に寄与したと考えられた。EMPA-REG OUTCOME試験のサブ解析では、心不全既往のない患者群では心不全入院の減少は41%であるのに対し、心不全既往の有る群では25%であり、心不全の予防効果も期待され、現在以下の臨床試験が行われている。


僧房弁閉鎖不全:MR
器質的(一次性)MR
  僧房弁の検索が何らかの原因で切れたり延長することで、弁尖の接合不全が起きて血液の逆流が生じる病態 
  僧房弁逸脱症候群(MVP)、変性、リウマチ熱、感染性心内膜炎、僧房弁輪石灰化、腱索断裂、外傷などがある。
機能性(二次性)MR
  なんらかの原因によって心臓が拡大し、そのため僧房弁の便輪が大きくなったり弁尖が下方に引っ張られることで接合不全が起きて血液の逆流が生じる病態
  心不全による便輪の拡大、虚血、心筋症、乳頭筋不全、心房細動などがある。

機能性MRは心不全患者によく見られ、虚血性、拡張型心筋症の非虚血性のFMRを総死亡、心不全増悪による入院で検討してみた。大静脈(vena contracta)、Effective regurgitant orifice (ERO)、regurgitant volume(RV)の計測値で評価できる。重症MRをERO>0.2cm2、RV>30ml、VC>0.4㎝で予後不良であった。
Heart 2011;97:1675-1680.

MRを有する心不全患者においては、ACE-Iでは予後は改善しなかった。
Am Heart J. 2005 Nov;150(5):1106.

Carbefilol投与で4ヶ月後にはLV mass、MRは改善し、12か月は継続した。
Am J Cardiol 1999 83 1201-1205

HFrEFでFMRがあると予後が悪くなる。163人のHFrEFでFMRのある患者を平均50か月経過を見た。MRのGrade 3-4をsevere MRと定義した。50名(31%)がSevere MRであり、38%がsevere MRから改善し、一方Non-severe MRの18%の症例が最適な心不全の治療を行うもsevere MRに進行した。

Severe MRからNon-severe MRに改善した群ではMACE Eventは38%であったのに対し、Severe MRのままであった群では62%に達した。
  


予後を規定している因子で一番強かったのはSevere MRが継続していることでORは2.5であった。

HFrEFの1/3にSevere MRが存在し、40%の症例で治療によりNon-severe MRに改善することができる。
JACC: HEART FAILURE 2017:652-9

経皮的僧房弁接合不全修復システム(MitraClip)
器質的あるいは二次性僧房弁閉鎖不全を有する心不全患者のなかで、僧房弁閉鎖不全に対する治療介入が自覚症状の軽減、QOL改善をもたらすと期待されるものの手術リスクが高い患者において、経皮的僧房弁形成術が有効である。我が国でも、経カテーテル的に心房中隔を経由して、僧房弁にデバイスを勧め、僧房弁前尖と後尖をクリッピングするMitraClipが使用可能となった。施術早期の離床が可能であり、施術後30日時点での患者の自覚症状の改善度は開心術に比べ優れているが、長期効果や臨床イベントのデータはない。


http://sk-kumamoto.jp/shi/mr_clip/assets/image/common/flow_step_pict4.jpg
Mitral Clip治療手技の動画:済生会熊本病院


http://www.shin-tokyohospital.or.jp/mitraclip/html/index.html

急性・慢性心不全診療ガイドライン 2017年改訂版

投稿者 川村内科診療所 | 記事URL

2019年8月16日 金曜日

MR関連高血圧治療におけるMRB 柴田洋孝教授

2019年7月23日 
演題「MR関連高血圧治療におけるMRB」
演者: 大分大学医学部 内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座教授 柴田洋孝 先生
場所:ホテル横浜キャメロットジャパン
内容及び補足「
日本人における、原発性アルドステロン症(PA)と本態性高血圧を比較してみると、BMIが高く、血清K値が低く、蛋白尿の頻度が高く、脳血管疾患、虚血性心疾患、脳卒中が多い。

PA患者のうち脳血管疾患の既往がある人ではない人に比べ、高齢で、男性で多く、腎機能の低下れ、蛋白尿の頻度、脂質異常症の頻度が高く、血清K値の低下、血清Cr値の上昇HbA1c値の上昇、空腹時血糖値の上昇を認めた。

PAでは血清K値≦3.5mEq/L、PAC≧125pg/mLが有意高頻度で見られた。

Hypertension 2018 71 530-537


Mineralcorticoid Receptor(MR)関連高血圧
Definition
  MR antagonist-responsive hypertension
  High plasma aldosterone levels (usually greater than 150pg/ml) in proportion to plasma renin activety
Pathologic state
  Primary aldosteronism
  Aldosteron-associated hypertension
  Aldosterone breakthrough (escape) phenomenon
  Obesity
  Obstructive sleep apnea
  Sleep disorders (insomnia, sleep deprivation, shift working)

病態としては以下のように考えられている。


Aldosterone産生副腎腺腫(APA)と両側の副腎の過形成によるIdiopathic hyperaldosteronism(IHA)の臨床上の違いを見てみると、APAで血漿Aldosteroneは高く、血漿レニン活性は低くAldosterone/reninが高く、尿中のAldosterone濃度も高く、血清K値が低かった。

MR作用は、MR状態の変化によるアルドステロン濃度の上昇により生じている。
MR関連高血圧の病因は狭義で言えば、血漿アルドステロンレベルの上昇により生じているMRの過剰刺激により生じている。
現在推定されているMR関連高血圧は以下の5個のメカニズムが考えられている。
1. MR遺伝子の発現の増加
2. MRの感受性の増加
3. MRの安定化
4. 多因子によるMRの過剰刺激
5. MR遺伝子の活動性変異


MR関連高血圧を図式化すると以下のようになる。


実臨床においては、以下のようにMR関連高血圧に対する対応するとよい。
血漿アルドステロン高値の難治性高血圧→MR拮抗薬:セララ、アルダクトン、(ミネブロ)
血漿アルドステロン基準値内で肥満や糖尿病、CKDを伴う難治性高血圧→ARBまたはACE-IにMR拮抗薬を上乗せ。
Am J Hypertension 25 514-523, 2012

原発性アルドステロン症:PA
スクリーニング:血漿アルドステロン濃度/血漿レニン活性比PAC/PRA=ARR≧200
またはPAC/ARC≧40~50かつPAC≧120pg/mL
薬剤による影響は以下の表のようになる。

PRAは剤に比べ立位で高値となり、PACは早朝に高く深夜に低下する日内変動を示すため、早朝9時間に安静座位において採血することにより偽陰性や偽陽性を少なくすることが可能となる。
検査は陰性であるが、PAの可能性が高いと思われる患者に対しては、降圧薬をCa拮抗薬に変更し、に週間後に再検査を行うとよい。

臨床的には以下の状態の高血圧に関しては、MR関連高血圧を疑い、PAC、PRA、ARRを検査すべきである。
Severe or resistant HTN
Age <30 without risk factors for HTN
HTN onset before puberty
Accelerating or malignant HTN
New onset HTN at age >55
Refractory hypokalemia
https://www.omicsonline.org/open-access/resistant-hypertension-a-comprehensive-overview-2167-1095.1000111.php?aid=12204

参:わが国の原発性アルドステロン症の診療に関するコンセンサスステートメント

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