骨格筋

2017年9月 1日 金曜日

健康 2017年10月号

投稿者 川村内科診療所 | 記事URL

2014年7月 5日 土曜日

新たな視点に立った非特異的腰痛 松平 浩 先生

2014年6月29日 東京慈恵会医科大学 中央講堂
演題「新たな視点に立った非特異的腰痛のとらえ方とアプローチ」
演者:関東労災病院 勤労者金・骨格筋系疾患研究センター長 松平 浩 先生
内容及び補足「
世界の疾病負担研究による最近の調査報告の中で、生活に支障を与える疾患の第一位は腰痛であることがLancetに掲載された。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(12)61766-8/fulltext
日本の厚生労働省の調査でも、4日以上の休業を要した職業性疾病のうち6割以上を腰痛が占める。
我々の全国約6万5千人を対象とした調査で、
一生のうちに腰痛を経験する人の割合は83%で、
休職経験者が24.5%、
直近4週以内の休職は1.4%
という結果であった。

プライマリケア医受診時の腰痛の原因としては、椎間板ヘルニア(4~5%)、脊柱管狭窄症(4~5%)、圧迫骨折(4%)、感染性脊椎炎やがんの脊椎転移(1%)などが有名であるが、種々の検査を行っても原因が特定しきれない非特異的腰痛が85%と最多を占めている。
JAMA 268: 760-765, 1992 

この非特異的腰痛が起こる原因として、
① 姿勢や動作に関連する『運動器(脊椎)の不具合(機能的な異常dysfunction)』
② 脳の機能負不具合(中脳辺縁系のドバピン・システムの異常)
に分けて考えるとこができる。
実際には両者の不具合は、しばしば共存し、その共存する割合は、同じ人でも暴露される環境因子(メカニカルおよび心理社会的ストレスの状況)に依存するという立場で腰痛を捉えてみると、予防も治療も円滑に行くことが多い。

2012年に日本の整形外科学会と腰痛学会が『腰痛診療ガイドライン』を作成しました。
今までのいろいろな研究の結果をまとめた、腰痛の対応方法のガイドラインである。
GradeAとして評価されている項目を挙げると、
① 非特異的腰痛の発症と遷延化に心理社会的因子が関与する。
② 急性非特異的腰痛では、痛みに応じた活動性維持が疼痛を軽減し、機能を回復させる。
③ 痛みに応じた活動性維持は作業関連性腰痛においても、より早い痛みの改善、休業期間の短縮と再発予防に効果的である。
という結果が出て確立したものとなっており、以前考えられていた安静臥床が状態を改善するよりも、かえって痛みに対する不安感や恐怖感をつくり、その結果、自らの活動を過剰に制限(回避)してしまう要因になってしまい、脊椎のスムーズな動きが失われたり、脊椎や背筋を含む運動器の硬直化を生み、却って体の痛みを生じたり、腰痛の再発悪化のリスクを高めることになる。

実際にぎっくり腰定量施設を受診された人たちを、安静を指導されたひと(安静群)と、痛みの範囲内での活動を指導されたひと(活動群)で腰痛の再発率を検討してみると、安静群で明らかに高頻度であった。

このように痛みの範囲内の生活を積極的にやってもらってよくなる場合ばかりではないので、安静が必要な腰痛疾患と積極的に体を動かしてよい腰痛をしっかり鑑別診断する必要がある。

腰痛診断は以下のように分類してみると考えやすい。
① Red flag sign:神経症状を伴うもの(症候性の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症)⇒安静および整形外科的な治療が必要なもの。
 安静にしていても、うずくことがある。楽な姿勢がない(重篤な病気が原因の可能性)
 強い痛みがお尻から膝の下まで広がっている(ヘルニアや狭窄症などによる神経痛の可能性)
 肛門や性器の周囲がしびれたり熱くなったりする、あるいは尿が出づらくなることがある(重い神経症状の可能性)
 足の脱力感がある。たとえば、かかと歩きが片足でしにくい(重い神経症状の可能性)
 転倒、転落など、外傷後の痛みで日常生活に支障が出る(骨折の可能性)

② Yellow flag sing:慢性難治性、休職、長期の活動性低下へ移行する可能性がある、心理社会的要因(Psychosocial risk factor)が強く関与しているもの⇒積極的な心理社会的なアプローチが必要なもの。
 心的ストレス(不安、不快、負担感など)が高まると痛みが出やすくなる。身体的な原因がはっきりしない次のような症状を1つ以上伴う。睡眠障害、抑うつ的、頭痛、めまい・耳鳴り、肩こり、息苦しさ、動悸、胃の不調・吐き気・下痢

③ Grren light:非特異的腰痛、神経学的異常や器質的異常のない心配のない腰痛⇒痛みを悪化させない程度で、これだけ体操や、腰痛予防体操を行う。
 腰痛と姿勢、動作の関係が明確で、一貫性がある。楽な姿勢が必ずある(脊椎の不具合:髄核のずれなど)

心理社会的なアプローチとして次のような考え方が現在基本となっている。
Summary of common recommendation for treatment of non‐specific low back pain
患者を安心させる
活動を維持するよう助言する
安静臥床は薦めない
Acute or Subacute Pain Chronic Pain
物理療法は薦めない
薬物療法/徒手的療法 は短期間に限る
エクササイズを薦める
認知行動療法、集学的治療がよい
Koes BW, et al. An updated overview of clinical guidelines for management of non-specific low back pain in primary care. Euro Spine J 19: 2075-94, 2010

腰痛治療の目標は
一次予防 現在腰痛がない人に対して、再発も含め腰痛を新たに起こさせない対策
二次予防 軽い腰痛の人に対して、重症化させない対策
三次予防 すでに支障度の高い人にはコントロール可能なレベルに戻しかつ支障度の高い腰痛の再発を予防する対策ポピュレーションアプローチ (Geoffrey R, 1985)
「腰へかかる負担に関わる問題」 「心理・社会的問題」への対策を包括的、具体的かつ理解しやすい形で提案することが必要!
ということになる。
具体的にできる簡単な腰痛(予防)対策としては、いすの座り方を変えることも有効である。猫背にならないように、少しそらしたり、背中に充てものをしたりするだけでも有効である。

忙しい合間の腰痛予防の『これだけ体操』を提案している。
・移乗など前屈みでの作業後、重い物を持った後、しばらく座りっぱなしだった後(特に腰に違和感を感じた時)には、必ずすぐに腰をしっかり反らしましょう!
反る体操
脚を軽く開き、膝を伸ばしたまま上体をゆっくり3秒間、息を吐きながら最大限反らす。
これを2-3回繰り返す。
立ちっぱなしで痛くなったら...
ただし、立ちっぱなしや歩きっぱなしでいて痛くなったり違和感を感じた場合にのみ、いすに座って腰をゆっくり丸める。
いすで屈める体操
両方の足を開き、息を吐きながらゆっくり床を見る。これも3秒間、2-3回行う。

このもとになっている体操は、マッケンジー法で、ずれた髄核を、圧迫することにより元の位置に戻す体操で、痛い方向で少し痛みを感じる程度に固定して、ずれた髄核をもとの位置に戻すイメージで体を動かす。

http://www.research12.jp/22_kin/docs/komado29.pdf
http://www.research12.jp/22_kin/t03.html
http://www.jmedj.co.jp/fileview.php?field=reading_pdf&id=471&type=book
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000023wrx-att/2r98520000023x67.pdf
http://minds.jcqhc.or.jp/n/medical_user_main.php
http://www.med.or.jp/cme/jjma/newmag/14301s/pdf/14301s001.pdf

http://www.research12.jp/22_kin/docs/manual_2012.pdf
http://www.research12.jp/22_kin/docs/manual.pdf
http://www.research12.jp/22_kin/docs/manual_final.pdf
http://www.research12.jp/22_kin/docs/menu.pdf
http://www.research12.jp/22_kin/docs/manual_kyotsui.pdf

投稿者 川村内科診療所 | 記事URL

2013年11月25日 月曜日

見逃される重要な腰痛・仙腸関節の痛み 村上栄一先生

2013年11月23日 ホテルグランコート名古屋
演題「見逃される重要な腰痛・仙腸関節の痛み」
演者:仙台社会保険病院副院長 村上栄一先生
内容及び補足(含質疑応答)「椅子に座り続けることが困難で、仰向けに寝られない患者いて、整形外科で痛み止やブロック注射などいろいろと処方されるも痛みが改善せず、CTやMRIの画像検査でも異常所見がないため、身体表現性障害と診断され、精神科を紹介された。その紹介状には『知的能力低下』と記載されており、ペインクリニック専門医に紹介されるも、器質的な疾患もなく、治療効果も乏しく、当院受診となった。仙腸関節固定術により、痛みが減少し、現在は仰向きで寝ることができる様になっている。
別の患者さんですが、難治性腰下肢痛を主訴に受診。仰向けで寝られず、患側上側臥位でのみ寝られる状況でしたが、仙腸関節ブロックで症状が劇的に改善しました。
1905年Goldthwaitが仙腸関節炎を提唱しましたが、1934年Mixterが椎間板ヘルニアの概念を提唱してからは注目が低下してきました。
仙腸関節は後仙腸靭帯、骨間仙腸靭帯、前仙腸靭帯の靭帯区域とその上方の関節区域に分けられる。

仙腸関節の意義は二足歩行を可能としている重要な関節である。
生物の進化で魚類から四足動物への変化はヒレが体の速報に出ている四本の有りになる変化で同系列の変化と言える。四足動物が二足歩行を獲得することは異次元の変化であり、これを可能にしたのは骨盤が進化したことによる。腸骨が短くなり前後に広がること、仙骨が一つに融合することにより可能となった。
倒立振子の実験からわかることは、頭らか体のずれを補正する信号を出していたら、直立し続けることが困難であるということである。
人間の体の重心は幼少期においては胸椎にあるが、成長するにつれS2の前方に移動してくる。いわゆる『丹田』と言われる位置である。従って、立位を保つためには骨盤の回転が重要になってくる。
関節は足、肩、股関節の様な滑走関節と仙腸関節、肩鎖関節、手根管関節の様な半関節に分けられる。
仙腸関節の関節神経学は、負荷がかかった時の硬くなる『関節静的反射』とそのあとの動きを制御する『関節運動反射』に分けられる。カタツムリが瞬時に角をひっこめ、そのあとゆっくり出してくる動きに似ている。
上半身の荷重を仙腸関節で左右に振り分け、両下肢にかける働きをしている。この働きがあるので、木から飛び降りて直ぐに走り出すという動作が可能になるのである。

疾患分類としては、仙腸関節腔内の炎症(感染、SNSA、変形、外傷後、出産後など)と、仙腸関節のわずかなずれによる機能障害に分けられる。病態としては後方靭帯群の過緊張から疼痛が発生していると考えられる。
自分の勤めている病院に新たに来られた239人のうち仙腸関節障害症例は115人49%であり、腰椎椎間板ヘルニア32人13%より圧倒的に多かった。仙腸関節を専門に診療しているという特殊性はあるものの、腰痛患者のうちにこの仙腸関節の障害症例がかなり潜んでいる可能性がある。

すでに10代から80歳代の高齢に割ってこの疾患は存在し、やや女性に多いが男性にもみられること、出産とは関係なく見られる。
痛みの分布を示すと以下のようになる。

鼠蹊部に見られること大腿概則に見られることは通常の神経根症状とは異なることを示している。
診断方法としてはNewton testがある。

画像検査では今まで硫黄を認めないと言われていたが、近年仙腸関節炎が酷く長引いている時にはSPECT-CTで集積を認められるという報告が出てきた。
患者さんに人差し指で痛みの部位を示してもらうOne Finger testも有効である。

機能障害が出ている仙腸関節を圧迫するとねじれが増強し圧痛が強くなるので診断の助けになる。

また、骨盤の前方からの圧迫でも痛みが生じる。

治療としては骨盤ゴムベルトをまず行います。

改善が見られないときにはブロック注射を行う。

これでもダメで、日常生活がかなり障害されている場合には仙腸関節固定術を行います。

仙腸関節炎の特徴
① 硬い椅子に座ると痛みが酷くなり正座の方が楽
② 仰向けや患側下側臥位で寝られない
③ 寝返りや立ちあがる時や朝方に痛い
治療としては、
① NSAID
② ノルスパンテープ
③ モルヒネ
④ 関節内ブロック(有効率62%)や関節後方靭帯のブロック(有効率96%)→関節後方靭帯の過緊張が原因と推察
⑤ 仙腸関節固定術 1500例中30例 2%しか行っていない
参:2008年10月14日掲載 村上栄一先生の投稿<仙腸関節障害の診断と治療>

投稿者 川村内科診療所 | 記事URL

2013年10月18日 金曜日

骨粗鬆症 鎌田修博先生

2013年10月11日 ホテルキャメロットジャパン
演題「骨粗鬆症」
演者:けいゆう病院副院長 鎌田修博先生
内容及び補足(含質疑応答)「骨粗鬆症の診断は以下のどちらかに該当する場合である。
(1)脆弱(ぜいじゃく)性骨折がある。
(2)脆弱性骨折はないが、骨密度が若い人の平均値(YAM)の70%未満、または脊椎X線検査で骨粗鬆化が認められる。
骨粗鬆症としての自覚症状はないので、骨折をして初めて自覚される疾患であり、骨折以前において検査で診断し、骨折予防の治療が大切になってくる。
診断の手掛かりとしては以下の三種類がある。
*骨粗鬆症の危険因子(骨折のリスク):高齢、女性、早期閉経、痩せ型、骨折歴(2~4倍)、家族歴(親の大腿骨近医骨折歴:1.5~2.3倍)、定栄養・運動不足、喫煙(1.3~1.8倍)、飲酒(1.4~1.7倍)、日照射不足
*続発性骨粗鬆症の既往歴:内分泌疾患、関節リウマチ、生活習慣病、慢性腎臓病、胃切除後、薬剤:糖質コルチコイド(1.7~4.4倍)、ワルファリン使用歴
*症状および理学所見:腰背部痛、円背などの脊柱変形、身長低下(2㎝以上)、脊柱変形による心肺機能低下、逆流性食道炎
高齢になるに従いその頻度は増加してくるし、閉経後の女性に多数認められる。

ダイジェスト版骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版 p3
骨量を測定する方法としては、エックス線撮影や超音波を用いたものなどがあるが、

2012年度改訂版で診断基準が海外の学会での発表を念頭において、『YAMの70%以下または-2.5SD以下』と、-2.5SDの表記が付け足されたため、DEX法を使用することになってしまった。

骨粗鬆症があるかどうかを診断し、骨代謝に影響している薬剤があれば、可能であれば約一か月薬剤を中止した後に骨代謝マーカーを測定し、二次性のものがあるかどうかを判定し、治療薬物を決定していく流れとなる。

骨代謝マーカーには以下のものがある。

治療薬は近年いろいろなものが開発されて使用できるようになってきた。

ビスフォスフォネート製剤は破骨細胞の働きを強く抑えて骨密度を上昇させる薬で、毎日、週一回、四週に一回飲む薬と、四週に一回の注射薬がある。
選択的エストロゲン受賞体モジュレーター(SERM)製剤は、女性ホルモンであるエストロゲンと同じような働きをする骨吸収抑制薬であるが、上記ビスフォスフォネート製剤よりは効果が弱い。

副甲状腺ホルモン製剤は、骨吸収も少し上昇させるが、骨形成をより促進して骨量を増加させる薬で骨折している患者にも使用できる薬剤で一日一回自己注射する薬と週一回病院などで注射する薬がある。
カルシトニン製剤は、骨密度を上げる力は弱いが、骨吸収を抑え、骨の痛みを抑える効果もある。
ビタミンKは骨のたんぱく質の働きを高め、骨質を改善し、骨折を減少させるが、骨密度を上げる効果はほとんど見られない。
これらの治療薬の治療ばかりでなく、日常生活における運動は必須である。
しかし、近年筋力低下によるロコモティブシンドロームが問題となってきている。そこで簡単なチェックシートを配布し、啓蒙活動、早期発見、生活指導に生かそうと日本整形外科学会が中心となり活動している。

生活指導としてはいろいろな体操があるが、筋力がある程度ないと実施困難である体操が多い。
自分の外来では、片足立ちを勧めている。

参:レントゲンでの骨粗鬆症の診断

投稿者 川村内科診療所 | 記事URL

2013年3月12日 火曜日

NSAIDの胃腸障害 横浜船員保険病院 内藤実先生

2013年3月11日 ホテルキャメロットジャパン
演題「NSAIDの消化管障害の現状」
演者:横浜船員保険病院消化器内科部長 内藤実先生
内容「リウマチ疾患や心疾患に対して痛み止め、抗血小板剤としてNSAIDの長期投与が行われているが、これらNSAIDの副作用として消化管障害がある。内視鏡検査を行って確認したところ、内視鏡的に胃に所見がある人の半分近く自覚症状がない状況があり、胃潰瘍があっても4割近くの人に症状がないことがわかっている。従って、長期にNSAIDを飲んでもらうときには、胃腸障害の少ないセレコックスやハイペンといった薬剤を選択するか、プロトンポンプインヒビターの併用が必要となる。急性の海洋からの動脈性出血の場合、血液検査でまだ貧血が出ていない状況で、ふらつきを主訴として来院することもあり、血圧の低下や、頻脈といった所見にも注意が必要である。」

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