脳神経系

2013年6月10日 月曜日

遺伝性ニューロパチー 鹿児島大学大学院 高嶋博教授

演題「遺伝性ニューロパチーを理解する「分類・診断・病態」
演者:鹿児島大学大学院医歯学総合研究科神経内科・老年病学教授 高嶋博先生
内容及び補足「遺伝性ニューロパチーのもっとも代表的な疾患はCharcot-Marie-Tooth病(CMT)で,遺伝性運動感覚性ニューロパチー(hereditary motor sensory neuropathy:HMSN)とも表現される。近縁疾患としては,運動神経障害のみの遺伝性運動性ニューロパチー(hereditary motor neuropathy:HMN)や感覚障害のみの遺伝性感覚性ニューロパチー(hereditary sensory neuropathy:HSN),感覚神経と自律神経が障害される遺伝性感覚・自律神経性ニューロパチー(hereditary sensory and autonomic neuropathy:HSAN)などがある。これらは臨床的,遺伝学的に多くの型に分けられ,少なくとも30以上の原因遺伝子が報告されている。
CMTは通常,少年期~中年期に,四肢遠位筋優位の進行性筋萎縮・筋力低下で発症するが,原因遺伝子の種類や変異部位によりさまざまで,発症時期の幅は広い。臨床症状は,大腿を高く上げて歩く鶏歩や,逆シャンペンボトル様下たい筋萎縮,凹足(pes cavus)などにより特徴づけられる。さらに,進行により足趾が屈曲し槌状趾(hammer toe)を形成することもある。上肢は手の骨間筋や母指球筋の萎縮が目立つ。正中神経の障害により母指球筋が萎縮し猿手(ape hand),また尺骨神経障害のため骨間筋が萎縮し鷲手(claw hand)となる。
感覚障害を発症初期に自覚することは少ないが,診察すると手袋靴下型感覚消失や振動覚消失などが認められる。これらの症状は左右対称性で,腱反射なども左右対称性に低下または消失する。
CMTは,遺伝形式および電気生理学的に分類され,正中神経の神経伝導速度が38m/秒以下を脱髄型,神経伝導速度が38m/秒以上を軸索型と分類する。また,電気生理学的に脱髄型とも軸索型とも分類できないタイプを中間型としている。
 脱髄型で常染色体優性遺伝(autosomal dominant:AD)のものをCMT1,常染色体劣性遺伝(autosomal recessive:AR)のものをCMT4,軸索型はADもARもCMT2に分類される。CMT3は,おおよそ2歳以下発症のDejerine-Sottas症候群(DSS)と同義であるが,CMT3の名称はあまり使用されていない。X染色体連鎖性のCMTはCMTXに分類される。
診断は遺伝子検索で行われるが、低コスト、短時間での検査を実現化するためにマイクロアレイチップをより進化させた遺伝子チップにより診断を確立し、遺伝子異常を調べるコストと時間が飛躍的に縮小し、実際、患者1例あたりのスクリーニングの費用は140万円から7万円に節約できた。

投稿者 川村内科診療所 | 記事URL

2013年6月10日 月曜日

視神経脊髄炎 東海大学医学部 吉井文均教授

2013年6月4日 崎陽軒
演題「フィンゴリモドの投与で大脳・脳幹に粗大病変を呈したNMOの一例」
演者:東海大学医学部付属大磯病院神経内科教授 吉井文均 先生
内容及び補足「多発性硬化症(Multiple Sclerosis:MS)は、中枢神経に繰り返し炎症が起こる原因不明の疾患で欧米人に多く、日本でも12000人の患者がいて、10歳から50歳で発症し(平均27歳)、女性に多く(3:1)、年に1~2度再発を繰り返す疾患でステロイド治療により症状が改善する。再発予防として、インターフェロンβの治療が最近では主流となっている疾患である。
視神経脊髄炎(Neuromyelitis Optica:NMO)は以前MSの中の視神経を侵す疾患視神経脊髄型多発性硬化症OSMSやデビック病としてとらえられていたが、その後2004年にメイヨ―クリニックのグループがNMOの血液に特異的な自己抗体が存在することを発見し、NMO-IgGと命名した。日本のOSMS症例の半数以上でNMO-IgGが陽性であり、OSMSの一部はNMOと同じ病態と考えられるようになった。NMOはMSよりもやや高齢で30-35歳とMSよりも10歳ほど高齢であり、70歳代や80歳代の高齢発症者もいる。重症筋無力症や橋本病、シェ-グレン症候群などを合併することが多く、ほとんどの患者が女性で、血液中に抗アポクリン4抗体が高頻度に存在している疾患でMSとは異なる疾患と考えられようになった。

従って、MSであれば再発予防のために使われるインターフェロンβの治療は、NMOにおいては、治療早期に広範な大脳病変が出現する症例があったため禁忌薬剤と考えられるようになってきた。FTY720:フィンゴリモド
の投与中に繰り返し、繰り返し多発性に脳脊髄病変を認め、ステロイドのパルス治療から持続投与に変更となり、その後安定した患者さんを経験した。NMOの再発予防にステロイド治療が有効である可能性が出てきた。」

投稿者 川村内科診療所 | 記事URL

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