脳神経系

2013年9月30日 月曜日

脳梗塞と抗血栓療法 川崎医科大学 木村和美教授

2013年9月26日 崎陽軒本店
演題「脳梗塞と抗血栓療法」
演者:川崎医科大学附属病院脳卒中医学教授 木村和美先生
内容及び補足「脳卒中の原因部位を見てみるみると、脳動脈に問題がある場合、頸動脈に問題がある場合、大動脈に問題がある場合、心臓に原因がある場合、それ以外の血管に問題がある場合、血液凝固脳に問題がある場合などに分類できる。
脳の病型別にみてみると、

と大きく分けられる。大きな病変を形成しやすい心原性の脳梗塞を見てみると、

と原因疾患ごとに脳卒中の発生頻度は異なる。特に頻度が多い心房細動に注目してみると、年齢が上がるにつれ頻度が上昇してくる。

日本の久山町においても同様の傾向がみられる。

心房細動の原因疾患もいろいろある。

心房細動の危険因子をより細かく見てみると、


倉敷市で2007年に41436人の健康診断を実施した中で心房細動の心電図波形が見つかった人は667名で1.6%(男性2.4%、女性1.2%)で、2006年に心房細動がなかった30010名中278名(0.9%)に新たに心房細動が出現した。 高齢80歳以上(OR 1.57 P=0.001)、心疾患の既往(OR7.47 P<0.001)が影響した。
平成18年19年に脂肪細動を指摘された1164名の追跡調査を行った。5年後に279名の人がなくなっていた。実に24%にも上る。つまり5年生存率は76%ということになる。現在の癌の5年生存率は、胃癌で70%、大腸癌で73%、肺癌で40%、乳癌で90%ぐらいであるので、癌に匹敵する予後ということもできる。
死亡原因は、悪性腫瘍が24%、高血圧以外の心疾患が24%、脳梗塞が11%、脳梗塞以外の脳疾患が6%、肺炎が13%となっていた。
退院時に心房細動がなかった886例と心房細動が持続している2237例の5年後の死亡は14例(1.58%)対73例(3.26%)であり、カテーテルアブレーション治療などの治療で不整脈を元に戻すことも有用ある。洞調律に戻せなくても、NOACが次々と開発されていることもあり、患者さんに合った抗凝固療法を行っていく必要がある。
心房細動の抗凝固療法の適応を判断する目安としてCHADS2スコアがある。

このCHADS2スコア

心不全の患者さんの病態マーカの一つであるBNPを、脳卒中患者さんで測定してみると、心原性脳卒中で圧倒的に高値を示している。心房細動の患者さんが、心不全を合併して心腔内に血栓が生じ、その血栓が飛んで脳卒中を発症している可能性もある。



ワルファリン療法におけるPT-INR値であるが、1.59未満であれば脳梗塞や漸新世の塞栓症の発症を抑えることができていないというデータが多く、1.60以上を保つ必要があるが、2.6以上になると重篤な出血の合併症を来す。それ以上に大切なことは、ワルファリンを飲んで出血した人の血腫は時間とともに増大し、死亡に至る例が多いことである。2.00-2.59での出血合併症の頻度はそれほど多くはないが死亡率は50%を超える。それに対して、NOACでは出血の頻度は少なく、出血した際にも血腫の増大例をまだ見ていない。」

投稿者 川村内科診療所 | 記事URL

2013年9月30日 月曜日

血液凝固から考えた新規抗凝固薬の特徴 川杉和夫教授

2013年9月26日 崎陽軒本店
演題「血液凝固から考えた新規抗凝固薬の特徴」
演者:帝京大学医学部内科学講座教授 川杉和夫先生
内容及び補足「血液凝固系に作用する薬剤の中で抗トロンビン薬は直接トロンビンに作用することで血液凝固を抑制するばかりでなく、血小板を活性化の抑制や第Ⅸ因子へのポジティブフィードバックの抑制、血栓上のトロンビンにも阻害作用を有する。Ⅹa阻害薬は、初期トロンビンの合成に対しての阻害作用はなく、血小板の行収納の抑制もない。


血管が破たんした時には、まず破綻部位に血小板が凝集してきて、その凝集したものに凝固因子が作用して二次止血が完成する。

aPTTは内因系凝固経路、PTは外因系凝固経路を表すと言われている。
モニタリングの方法としては、両方とも利用できるが、PT-INRは試薬間での値の違いが大きい。4時間後に阻害作用が最大となるので、その時点での検査が望ましい。

投稿者 川村内科診療所 | 記事URL

2013年9月24日 火曜日

認知症の早期発見と予防への取り組み 浦上克哉教授

2013年9月19日 横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ
演題「認知症の早期発見と予防への取り組み ~鳥取方式の紹介~」
演者: 鳥取大学医学部保健学科 生体制御学講座環境保健学分野教授 浦上克哉 先生
内容「2年前には200万人、昨年は300万人いると言われていた認知症患者さんは今年は462万にと報告された。徐々に増加していることだけによるのではなく、認知症の診断がよりされるようになったからでもある。
より簡便に認知症を診断するために、この簡易スクリーニング検査では、言葉の遅延再生(3つの言葉)、時間見当識(今日は何日?何曜日?)、立体の模写(立方体透視図の模写)が有効である。
しかし、医師がこの検査を行うには時間のロスが問題点となってくる。
そこで、短時間で認知症患者さんのスクリーニング検査機器として、Mohs博士により開発されたアルツハイマー病の評価スケールであるAlzheimer's Disease Assessment Scale(ADAS)を、タッチパネルを用いて簡便に検査出るようにした機械TDAS-1000を日本光電とともに開発した。

この検査は15点満点であり13点以上を正常、12点未満を認知症疑い例としたところ、

と図のような結果となり、感度96%、特異度97%であった。
認知症患者さんを診察治療する際に、患者さんの話を聞かず、つい家族と話し合って治療方針を決めがちであるが、実際、認知症患者さんにも感情や心身の力が残っており、すべての物事を忘却しているわけでもない。従って本人の話を聞くことも非常に大切なことである。
普段一緒には住んでいないある患者の家族から「最近食欲がなくて全然食べないので体重が減ってきているんです」との相談があり、悪性疾患の合併を疑い、内視鏡やCT検査などいろいろな検査をおこなったが異常が見つからなかった。ご本人に聞いてみると「弁当が不味くて食べたくないので、あまり食べていません」との返答があり、家族でフランス料理を食べに行ってもらったら、家族の中で一番多く食べたという事例がある。一人暮らしを心配し、食事を宅配弁当にしたところ、味に慣れてしまったころから食べる量が減った事実に気づかされた。本人にいろいろと聞くことが重要である。
認知症の予備軍も増加してきていることもあり、認知症の進行予防も必要であるが、発症予防も重要な課題である。
2004年度から鳥取県の中央にある琴浦町で認知症予防教室を開催した。先ずスクリーニングとして、数字の遅延再生、日時の見当識、図形認識の三つの検査を4分ぐらいで行い、15点満点中13点以下の人には、先述したTDASを行って7~13点を軽度認知障害(MCI)、14点以上を認知症の疑いがある人と判定し、神経内科医が診察、結果を説明して、精密検査が必要な人には専門医療機関への紹介を、MCIの人には「ほほえみの会」への参加を勧めた。ほほえみの会は、血圧測定、体操や音読、計算などのプログラムを盛り込んだ認知症予防教室である。

現在Amyloid precursor proteinをβセクレターゼが分解し、さらにγ―セクhttp://www.rivastach.jp/magazine/no6.pdfレターゼが分解してβアミロイドが作られる。βタンパクが凝集し沈着して老人班が形成される。タウのリン酸化および蓄積により神経原線維変化が起こり神経細胞死を来す。現在アミロイドタンパクを溶かす薬物やワクチン、βセクレターゼモデュレイター、βセクレターゼインヒビターなどの開発が行われている。
あまり知られていないが、アルツハイマー病においては記憶が障害される以前に嗅覚が障害さる。この論文では、アルツハイマー病14人中12人において嗅覚障害が認められたとしている。

腐った食品に気付かなくなることが、アルツハイマーの初期兆候としてとらえることができる。この嗅覚障害に対してアロマテラピーを行うことにしてみた。
日中はローズマリーとレモンの配合が良く、夜間熟眠するためにラベンダーとオレンジの配合が良いことが分かった。個人で調合することが困難だと考え、ブレインメイトという会社からリ・ブレインというアロマオイルを発売している。

投稿者 川村内科診療所 | 記事URL

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