糖尿病系

2017年10月30日 月曜日

心疾患発症阻止を見据えた血糖管理 森 豊 教授

2017年9月21日 
演題「心疾患発症阻止を見据えた血糖管理 ―DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬をいかに使いこなすか―」
演者:東京慈恵会医科大学内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌内科教授 森 豊先生
場所:ホテルニューグランド
内容及び補足「
糖尿病治療ガイド2016-2017においては、基本的な考え方として、『2型糖尿病は、インスリン分泌低下やインスリン抵抗性をきたす素因を含む複数の遺伝子に、過食(特に高脂肪食)、運動不足、肥満、ストレスなどの環境因子および加齢が加わり発症する。1型糖尿病では、インスリンを合成・分泌する膵ランゲルハンス島β細胞の破壊・消失がインスリン作用不足の主要な原因である。糖尿病型の高血糖が別の日に2回確認できれば糖尿病と診断できる。ただしHbA1c≧6.5%の場合や、糖尿病の典型的な症状である口渇、多飲、多尿、体重減少がある場合、確実な糖尿病網膜症がある場合は、同時に血糖値が糖尿病系を示していれば1回の検査だけでも糖尿病と診断できる。無治療の糖尿病における持続的高血糖は最小血管症や大血管症を引き起こし健康寿命の短縮をきたす。
したがって、糖尿病治療の治療目標は『糖尿病の血管合併症の発症、伸展を防止し、日常生活の質の維持と健康寿命の確保である』と掲げられている。









http://www.jds.or.jp/modules/education/index.php?content_id=11


様々や薬剤が使えるようになってきた今日、患者さんの病態に合わせて、血糖降下薬の特性を理解した治療薬の選択が必要になってくる。持続血糖モニターを用いて各薬剤の特性を比較してみよう。
評価する項目は、時効型溶解インスリン製剤投与から24時間の平均血糖値、24時間の血糖変動幅(24時間平均血糖値を基準とし持続血糖曲線との間の面積)総和、3回の食事の平均食後血糖上昇幅である。

51歳男性で入院後インスリン治療を開始し、デテミル8単位投与では、昼食後および夕食後に200mg/ld.以上に食後血糖の上昇が見られ、ミグリトール併用投与により食後血糖の上昇は著明に抑制された。平均血糖値は、112.1→102.7mg/dLの変化であるが、SDは29.7→15.8mg/dL、MAGEは84.5→43.3mg/dLと著明に改善していることが数値上でも確認できる。

(Progress in Med 29;459-464, 2009)

SU薬(アマリールやオイグルコンなど)
78歳男性HbA1c 9.3%、BMI25.3、尿Cペプチド36.7μg/日の2型糖尿病患者で1600Kcalの食事療法科では朝食前血糖値は200mg/dLを超え、食後は350~400mg/dLにまで達しており、200~400mg/dLの間で推移していた。グリメピリド0.5㎎/日→1mg/日→2mg/日に増量した所、昼食前、夕食前、就前の血糖値は容量依存的に低下してきたが、朝食後の血糖値はほとんど変化しなかった。

この結果HbA1cに相当する24時間の平均血糖値はグリメピリドの増量に伴い劇的に低下しているが、対照的に24時間288個の血糖値の標準偏差(SD)、MAGE、血糖変動幅総面積といった血糖変動幅の指標は全く改善していない。
このことは、SU薬投与による血糖変化は、血糖変動幅は変わらずに、昼食前血糖値以降の血糖変動が全体的に下方へシフトしていき、その結果、平均血糖値(HbA1c)が劇的に低下したものと考えられる。HbA1cのみを指標として、厳格な血糖コントロールを行った場合には、夕食前や夜帯に低血糖を起こす危険が増加することが容易に推察できる。
このSU薬に食後血糖の上昇を抑えるα-GIの様な薬剤を併用することは有用であり、実際この症例においてミグリトール150㎎/dLを併用することにより、各食後の血糖値はいずれも低下し、夕食前血糖値はむしろ上昇し、グリメピリド単独では改善しなかったSD、MAGE、血糖変動幅総面積は、いずれも大きく低下している。


アクトス
62歳女性Lis:6-6--8-0、Detemir0-0-0-3単位で血糖コントロール不良で尿中Cペプチド79μg/日であったため、ピオグリダゾン15mg/日の併用投与が開始となった二型糖尿病患者で投与開始前は昼食後に100前後に低下する以外は200前後で推移していた。

ピオグリダゾンン投与により、2週間後、3か月と平均血糖値は201.6→170.6→137.2と著明に改善しているが、血糖値のばらつきの指標であるSDやMAGEは一時少しの改善を見せたが3ヶ月後にはかえって悪化している数値となっている。上記グラフからみて明らかに食後の血糖変動に対する作用はあまりなく、夜間深夜帯から朝食前の血糖値を強力に低下させることがわかる。

(治療 92;569-576 2010)

メトホルミン
69歳男性でグリメピリド2mg/日とメトホルミン750mg/日で治療していた患者さんで、入院時BMI 22.3、HbA1c 8.8%、尿中Cペプチド43.5μg/日であり、血糖値は朝食後から昼食後にかけて200~300mg/dLで推移し、夕食後から夜間深夜帯、朝食前にかけて血糖値が低下していた。グリメピリドは変更せずにメトホルミンを1500mg/日に増量した14日目には朝食後から夕食前の血糖値の低下が観察された。さらに2550mg/日に増量したところ朝食前血糖値も低下した。

SD、24時間血糖変動幅面積、MAGEはメトホルミンを750㎎→1500㎎と増加させるに伴い低下し、2250㎎ではさほど変化を認めなかった。メトホルミン増量に伴い血糖上昇が抑制される機序については明らかではないが、メトホルミンによる腸管からの糖吸収抑制作用や胆汁酸の再吸収阻害を介したGLP-1分泌促進作用が容量依存性である可能性も否定できない。

(糖尿病学の進歩 第45集 160-166 2011 診断と治療社)

DPP-4阻害薬
HbA1c 6.9%、BMI 29.9の2型糖尿病患者にテネリア3週間後に平均血糖は157.2→97.7、SD52.6→??、24時間血糖変動幅面積1009.4→96.6、MAGE 114.8→32.0に改善した。

(血糖変動図を探すことが出来なかったのでテネリアのインタビューホームから4週間後の血糖変化を提示します。)
https://www.medicallibrary-dsc.info/di/tenelia_tablets_20/pdf/if_tnl_1708_10.pdf

SGLT2
63歳男性、BMI 26.2、HbA1c 8.6%、尿Cペプチド113.6μg/日のメトホルミン投与中の患者でメトホルミン中止し、食事療法の診の状態でCGMをおこないイプラグリフロジン50㎎/日の単独投与13、14日目の血糖値の変化を示す。空腹時180mg/dL、朝食後血糖値400mg/dLに達していた値が空腹時、SD、血糖変動幅総面積、MAGEともに低下している。


(Diabetes frontier 26(3) 378-393 2015)
主に平均血糖値を低下させる薬剤と主に血糖変動幅を縮小させる薬剤に分け、個々の患者の血糖の変化を念頭に置き、薬剤を選択し、併用していくことが理にかなった組み合わせと言える。

(医薬ジャーナル 53(7)105‐115 2017)
その中でもSGLT2阻害薬を上乗せすると、血糖の変動幅を縮小することがより効果的であるといえる。

65歳女性、BMI 31.9、HbA1c 89.7%、尿Cペプチド38.3μg/日で、Glu:3-3-3-0、Gla:0-0-0-10単位にて十分な血糖コントロールできず、肥満もあるので、インスリンの増量を行わず、イプラグリフロジン50㎎/日の追加投与を開始した。朝食前200mg/dL、食後が300~350 mg/dLの血糖値が、イプラグリフロジン追加投与により2夕看護には毎食前・後、深夜夜間帯の血糖値の低下が観察された。24時間平均血糖値は低下するも、SD、血糖変動幅総面積、MAGEの低下は認められなかった。本症例では、尿Cペプチドの排泄低下がすでにあり、イプラグリフロジン投与により糖毒性が改善されても、食後追加のインスリン分泌が改善しなかったため、血糖変動幅が縮小しなかったものと推察される。

(Diabetes frontier 26(3) 378-393 2015)

SGLT2阻害薬間の違いとして血中濃度半減期、SGLT2阻害の選択制、蛋白結合率が指摘されている。
血中半減期の短いトホブリフロジンは、健康成人男性に単回投与した際、尿糖排泄速度が投与16時間以降減少する成績があり、このため、夜間頻尿がきたしにくいとされている。

67歳男性、BMI 29.5、HbA1c 10.4%、尿Cペプチド117.3μg/日の患者で、入院後Glu:9-7-3-0、Gla:0-0-0-18単位投与で十分な血糖コントロールできず、ダパグリフロジン50㎎/日の追加投与を開始した。15日投与後にダパグリフロジン20㎎/日に変更し7日後の血糖値の変化を検討したが、有意な差はなかった。ヒトによるのかもしれないが、各薬剤間での夜間深夜帯の尿糖排泄の違いは明確なものではないと考えられる。

SGLT2阻害の選択制の視点から考えると、カナグリフロジンは他のSGLT2阻害薬よりもSGLT1阻害作用がある。SGLT1阻害作用がほとんどないダパグリフロジンとの比較試験では、カナグリフロジンはダパグリフロジンと比較して、食後15分、30分、45分の血糖値を低下させ、⊿血糖値0-120分を有意に低下させたが、同時間帯の尿糖排泄量に違いがなかった。このことより、この食後血糖上昇の抑制にカナグリフロジンによる小腸SGLT1阻害の関与の可能性が指摘されている。仮にカナグリフロジンの小腸のSGLT1阻害を介する腸管からの糖吸収抑制作用が臨床的に観察されるとすれば、それは本罪の薬物動態から小腸を通過する朝食直後においてのみであると考えられる。

ある例の血糖変化をここで診てみたい。
62歳男性、BMI 26.1、HbA1c 8.9%、尿Cペプチド83.4μg/日の患者で、食事療法のみにて各食前血糖値が安定した時点でカナグリフロジン100mg/日の単独投与を開始した。食事療法のみでは、朝食前165~170 mg/dL、各食後血糖値は250 mg/dLを超えていた。カナグリフロジン投与に週間後の血糖変動は、各食前・後血糖値、は低下し、血糖変動の解析では平均血糖値の低下と血糖変動幅の減少が観察された。
夕食後1時間までン血糖上昇量が、開始前131 mg/dL、開始15日後123 mg/dLであったのに対し、朝食後1時間までの血糖上昇量は開始前95 mg/dL、開始15日後52 mg/dLであり、カナグリフロジン単独投与による糖食後の血糖上昇量は、夕食後の血糖上昇量と比較して明らかに軽度であった。糖毒性の解除により食後のインスリン内か分泌が改善し食後血糖上昇が抑えられた可能性のみではこの朝食後と夕食後の血糖上昇の抑えられている強さを説明できず、SGLT1阻害作用が関与している可能性が示唆されるデータと言える。

(Diabetes frontier 26(3) 378-393 2015)

低血糖を起こさずに食後高血糖を改善させて血糖変動幅を縮小させ、かつ平均血糖値を低下させるDPP-4阻害薬は、「良質なHbA1c」という視点からは治療的な薬剤であるが、海外で行われたCVアウトカムをprimary end pointとしたDPP-4阻害薬の大規模臨床試験であるEXAMINE、SAVOR-TIMI、TECOSのいずれもDPP-4阻害薬の優位性を証明できなかった。一方SGLT2阻害薬の大規模臨床試験であるEMPA-REG、CANVAS、LEADERでは、SGLT2阻害薬の優位性が証明された。

両薬剤とも薬理学的には非常に有用な薬剤であるにもかかわらず、差が出た原因は現時点では不明であるが、明らかな差は体重減少であり、体重減少がアウトカムへの寄与度が強い可能性も推察できる。SGLT2阻害薬での体重減少には薬剤間に差はないが、GLP-1受容体作動薬では、薬剤間による体重減少に差がみられる。今後の臨床研究の結果が待たれるところである。

投稿者 川村内科診療所 | 記事URL

2017年10月30日 月曜日

心腎関連におけるSGLT2阻害薬の意義 佐野元昭准教授

2017年9月15日 
演題「心腎関連におけるSGLT2阻害薬の意義」
演者:慶應義塾大学医学部 循環器内科准教授 佐野 元昭先生
場所:グランドオリエンタルみなとみらい
内容及び補足「
糖尿病患者の平均寿命は治療の進歩・生活習慣の改善などにより徐々に伸びているが、日本人の一般平均年齢に比較して男性で7歳、女性で10歳以上の差がある。

Journal of the Japan Diabetes Society, 2017, doi:10.111/jdi.12645より改変
血糖降下療法に関する研究は数多くおこなわれてきたが、厳格な血糖コントロールによる心血管疾患・脳卒中の発症抑制に対する効果は大きくないことが示されてきた。逆に、厳格な血糖コントロールを目指すあまり、低血糖発症リスクが高まり、心血管疾患の発症や認知機能の悪化を助長する可能性が議論され、疫学調査でも幾つか報告されてきた。そういった中でEMPA-REG OUTCOME試験の結果が発表された。
この研究は、心血管疾患のある2型糖尿病患者7028例で登録前12週間に治療を受けていないDM患者はHbA1c 7.0以上9.0%未満、治療を受けているDM患者は7.0以上10.0未満の症例を対象に、2週間のrun-in期間後、患者をEmpagliflozin 10mg(2345例)、Empagliflozin 25mg(2342例)、プラセボ群(2333例)に割り付け、1次エンドポイントとして心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、2次エンドポイントとして1次エンドポイント+不安定狭心症による入院を比較検討したものである。
これらの対象者のLDLコレステロールは85mg/dL、血圧は136/72mmHgとコントロールされている糖尿病患者が対象になっている。主要評価項目である3-point MACE(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中)はプラセボ群よりもEmpagliflozin群のほうが有意に低かった(非劣性P<0.001、優劣性P=0.04)。

プラセボ群に比べEmpagliflozin群は心血管死亡率が低く、全死亡が低く、心不全による入院率も低かった。心筋梗塞または脳卒中の発症率には差が見られなかった。


 
心血管死に対する影響と同様に早期から影響しているアウトカムは心不全による入院である。
http://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa1504720


心不全による入院はSGLT2阻害薬投与開始2~3週間後(統計上17日後)にはプラセボと比較して有意に抑制しており、この結果が心血管死を抑制した基盤にあるメカニズムとして推察される。

(上図を投与量毎に分けた図)
この短期間において認められる作用は、ジャデイアンス投与群でHbA1c 8.0%から7.8%までしか低下しておらず、血糖改善効果では説明することはできないと考えられる。
SGLT2阻害薬は、近位尿細管においてグルコースとNaの排泄促進を行うため、Na再吸収抑制からの利尿作用がある。この作用は、薬剤投与1日目から認められるが、その作用は消失する。同様にNa排泄量も投与1日後には増加が認められるが、5日後には内服前のNa排泄量にもどっている。したがって、投与初期のこのような利尿作用により心不全による入院を抑制することは短期間であればあり得るが、長期に渡る心不全入院の抑制効果は説明できない。そもそもループ利尿剤に代表されるNa利尿薬によって心不全の予後が改善したというエビデンスは存在しておらず、むしろ、今までの登録研究からは、ループ利尿薬使用量の多い心不全患者程心血管死のリスクが高いことが示されている。

血圧への影響に目を向けるとDipper型は昼間のみの血圧を低下させ、non-dipper型は昼夜ともに低下させるなど血圧日内変動を改善することが知られている。
 



治療前の安静時心拍数ごとに、ルセオグリフロジン2.5㎎とプラセボ投与群の心拍数変化を見てみると、全体としては有意な差は見られていない。

しかし、治療前の安静時心拍数で分類してみると、安静時心拍数が高い患者程、治療12週後の心拍数の減少程度が大きく、治療前心拍数が70bpm未満の群では、ルセオグリフロジン2.5㎎投与による心拍数変化は観察されず、70bpm以上の群では有意な差を持って心拍数が減少し、80bpm以上の群では10bpm近く心拍数が減少した。

2型糖尿病患者の中には、延髄の血管運動中枢が亢進している患者が存在することが知られている。圧受容体反射の機能不全は、血管運動中枢の活動亢進をより増長させている。これらが、心臓交感神経を刺激して心拍数を上昇させている。ルセオグリフロジンが安静時心拍数の高い患者に限って、安静時心拍数が高いほど心拍数を下げたという結果は、ルセオグリフロジンが血管運動中枢の活動が亢進している患者において、その活動を鎮めている可能性を示唆する。

血管運動中枢の活動亢進が、全身の交感神経系アウトプットを亢進させ、腎臓におけるナトリウム再吸収を亢進させ、心臓に対する静脈還流量を増加させ、さらに動脈が収縮することによる血圧の上昇により後負荷が増加する。拡張機能が低下した心臓に対して、心拍数の増加は、1回拍出量を低下させる。これらの変化が血行動態的に器質的心疾患を持った2型糖尿病患者に心不全を引き起こす促進因子となると考えられる。

http://www.jocmr.org/index.php/JOCMR/article/view/3011/1803
http://www.igakutokangosha.jp/?pid=110462440
医学と看護社 『SGLT2阻害剤の臨床』

SGLT2阻害薬投与により、ヘマトクリット値(Ht)が上昇することが知られており、これが脱水の徴候であり、脳梗塞のリスクになることが危惧されている。しかし、このHtの上昇は脱水との関連は薄く、むしろ腎機能が回復してきているサインになるという仮説を提唱し検討してみた。
循環器内科では、心不全患者にループ利尿薬を投与する際には、Htに特別に配慮することはない。Htは脱水や血液濃縮以外に腎機能の変化によって影響を受ける。
慶應男義塾大学病院に2007年1月~2014年8月に心不全で入院し、入退院時のHtが記録されていた381例を検討したところ、Htの退院時/入院時比は1.013であり、ほとんどの患者が入院中に利尿剤投与されていたが、平均で見るとHtの変化はなく、症例によってはHtが減少する症例もいた。

脱水による血液濃縮ではないとしたら、SGLT2投与時のHtの上昇の原因はなんであろうか。
Dapagliflozin投与によるエリスロポイエチン(EPO)濃度を検討した研究(Diabetes Obed Metab 15(9):853-862, 2013)によると、Dapagliflozin投与2~4週間後をピークにEPO濃度が上昇し、これに一致して網状赤血球濃度が上昇し、その後にヘモグロビンやヘマトクリットが上昇することが示されている。

このEPOはどこで産生されるかというと尿細管周囲の線維芽細胞で産生されている。この線維芽細胞は、発生学的には、神経堤細胞由来の特殊な線維芽細胞で、尿細管が正常な状態では、EPO産生能力を有しているが、尿細管に障害が加わるとこの線維芽細胞はEPO産生尿直を失い、間質を線維化させる悪玉線維芽細胞へ形質転換することを京都大学の柳田元子先生の研究グループにより明らかにされた。


http://www.jocmr.org/index.php/JOCMR/article/view/2760/1628
以上のことをまとめる以下のような仮説を提唱した。
糖尿病においては、近位尿細管は過剰な糖を再吸収することにより疲弊し障害を受けている。過剰な糖の再吸収により尿細管周囲は低酸素状態となり、線維芽細胞は悪玉に変わり、EPO産生能力を失っている。この状態で、SGLT2阻害剤が投与されると、糖の過剰な再吸収が行われなくなり、近位尿細管を休めることになり、酸素消費量は減少し、尿細管周囲の低酸素状態が改善し、線維芽細胞は健常な細胞に逆戻りして、エリスロポイエチン産生能を回復し、その結果腎臓からのEPOの産生が高まり、赤血球造血が刺激され、ヘモグロビンやHt濃度が上昇する。
この過説に立つと、SGLT2阻害薬投与においてHtが上昇する症例は腎機能の回復の可能性があり、腎機能予後改善を占う良いサロゲートマーカーになりうると考えられる。
http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/66985472.html

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